Sewer pipe corroded by rust

先日お客さまを案内してて、

将来的に未来永劫「下水道管」が公共管理である保証ってあるんだろうか

とふと思い、国土交通省の資料を読んでると少しドキッとしました。

これからの時代、
下水道は「広げるもの」ではなく「選んで守るもの」になる
そんな方向性が、はっきり示されているからです。

ということで本日は、
・下水道の未来はどうなるのか
・宗像市では何が起きそうなのか
・不動産価格にどんな影響があるのか

この3点を、できるだけわかりやすく解説します。


① 国が想定しているのは『縮小』も含めた見直し

これまで日本は、下水道を整備し、どんどん広げてきました。

でも今は、

  • 人口減少

  • 少子高齢化

  • インフラの老朽化

  • 維持管理費の増大

という現実があります。
昨年新潟県で起きた陥没事故は記憶に新しいところですが、その他の地域でも耐用年数を越した老朽管が増えてきており、様々な不具合を生じてます。

実際ある自治体では下水道区域を縮小することで、数百億円規模の事業費削減が行われました。つまり国としては、

人が減る地域では、下水道を維持し続けることが本当に合理的なのか?

という視点に立ってるわけです。

場合によっては、
下水道をやめて「合併浄化槽」に切り替える、という選択肢も現実的な話として検討されています。


② 宗像市の現実

宗像市も例外ではありません。

・下水道管の総延長は約600km
・初期に整備された管は、法定耐用年数50年を超えるものが今後増えていく
・将来の更新費用は、数百億円規模

これは決して「危機」という意味ではありません。

ただし、

すべてを同じように更新し続けることは、簡単ではない

というのは間違いありません。

限られた財源の中で、
「どこを優先するのか」という議論は、必ず起きます。

<宗像市の公共下水道配管状況>


③ 見直し対象になるエリアとは?

ここは断言はできませんが、制度の仕組みから考えると、次のような条件が議論になりやすいと言われています。

1)住宅が点在している低密度エリア

1戸あたりにかかる管の長さが長いほど、維持費は重くなります。

2)区域の“端”や枝線

本管から遠い場所ほど、更新コストの割に利用者が少ない可能性があります。

3)ポンプ場依存が大きい地域

電力・機械更新など維持費がかかります。

これは「ここが縮小される」という話ではありません。

ただし、
人口が減っていく社会では、

インフラの優先順位付けは避けられない

ということです。


④ 不動産価格への影響は?

ここが不動産業として一番気になるところ。
結論から言うと、

いきなり価格が暴落する、という話ではありません。

でも、次の影響は十分あり得ます。


■ ① 買い手の心理

下水道が前提の生活から、将来浄化槽に切り替わる可能性があるとしたら?

・設置費用
・維持管理費
・清掃費

こうした将来コストへの不安は、
購入判断を鈍らせます。
実際には、月あたりのランニングコストで見るとそこまで大差はないのですが、これまで公共(市)がやってくれてたものを自分で管理しなければならないという「背負わされる感」は、購入者の心理に大きな影響を与えそうな気もします。

その結果、

✔ 売れるまでの期間が長くなる
✔ 比較検討で不利になる

ということになりそうです。


■ ② 査定時の説明材料が増える

これからは、

「この物件は(公共)下水道区域ですか?」
「将来も維持される見込みは?」

という質問が増えるかもしれません。

インフラは“当たり前”だからこそ、
将来に不確実性が出ると、評価に影響します。


■ ③ 価格よりも“売りやすさ”に差が出る

中心部の密度が高いエリアは、
インフラ優先順位が高くなりやすい。

一方、境界エリアや低密集度エリアは、
将来の説明コスト(負担)が増える可能性があります。

これは

同じ価格帯でも、売れ方に差が出る

ということを意味します。


⑤ これから不動産を見るときのチェックポイント

物件を購入・売却する際は、ぜひ確認してください。

・公共下水道区域かどうか
・受益者負担金の有無 (宗像市の場合は上水道料金に含まれる)
・浄化槽エリアかどうか
・将来更新の予定

これからは、

「立地+インフラ」までが物件価値

になる時代と言えそうです。


まとめ

人口減少時代において、

下水道(上水道)は
「広げ続けるもの」から
「選んで守るもの」へ

転換しています。
これは宗像市では「居住誘導区域」という形で、「将来も街として維持する“コアエリア”」として区分けしておりますが、これも絶対ではありません。

悲観するお話ではなく、

インフラの未来を理解した上で、
冷静に不動産を考える時代に入った

ということだと思います。

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