令和地建株式会社
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2020年04月16日
不動産知識

媒介契約を赤裸々に語ります

土地や建物を売却したい場合、ご自分で買主を探すことができれば一番良いのですが、権利関係が複雑であったり、後にトラブルが起きた時の額が大きくなったりしますので、一般的には仲介業者に媒介を依頼する場合がほとんどかと思います。

また、少しでも高く売りたい、少しでも安く買いたい、という利害関係も働く為、あえて仲介人(仲介業者)を挟むことで、自分の意思を代わりに伝えてもらえるという点でも、メリットがあります。

法律的には、仲介を依頼する業者と「媒介契約」を締結し、売却を依頼するという形を取ります。

あくまでも、売主側に業者を選ぶ選択肢があるので、納得がいかなければ極端な話し、何度でも業者を変えることは可能です。

ただ現実的にはそれをやり過ぎると逆に売れづらくなったりもしますので本末転倒ということにもなってしまいます。

本日はその媒介契約について、種類と中身を赤裸々に、業者目線で説明したいと思います。

これを読んでいただいて、ご自分がどういう形態が合ってるか、どういう売り方をしたいか、などを決める参考にしてもらえれば幸いです。

媒介契約には3種類あります

①一般媒介契約

同じ物件の売却を、複数の業者に依頼する媒介契約です。

自分で見つけた買主と契約することも可能です(自己発見取引と言います)。

②専任媒介契約

媒介契約をした業者以外の、他の宅建業者とは媒介契約ができません。

一社のみです。

自分で見つけた買主と契約することは可能です。

③専属専任媒介契約

媒介契約をした業者以外の、他の宅建業者とは媒介契約ができません。

自分で買主を見つけた場合であっても当人同士で直接契約することができず、必ず仲介業者を通す形を取ることになります。

 

不動産売却の際、売主はこの3つの中から選ぶことになります。

それぞれ特徴がありますが、この他、業者側に課される義務や取り決めの内容も少しずつ違ってきますので、その辺りも見ていきましょう。

 

業者に課される義務と制約事項

大きく分けて3つの点で制約が異なります。

逆に、これだけ理解しておけば大丈夫です。

【有効期間が違う】

意外と知らない方、または気にされない方が多いのがこの有効期間です。

一般媒介契約では特に規制はないのですが、専任媒介契約専属専任媒介契約では「3ヶ月以内」とされてます。大体の場合で3ヶ月いっぱいで期限を切ってる契約がほとんどです。

いつの間にか有効期間が切れてたり、そもそも専任(または専属専任)媒介契約なのに期限が決められてなかったりすることもあったりします。

そういう場合はもちろん契約の効力自体がありません。

また、有効期間が過ぎた場合であっても、自動更新ではありません。そこで一旦契約は切れます。

売主がまだその媒介契約を継続したいのであれば、その宅建業者と再度専任媒介契約をする必要があります。

売主から申し出るか、大抵は宅建業者の方から再契約の通知のようなものが送付されてるか、何らかの連絡があるかと思いますので、そこで応じるようにすれば良いです。

この有効期間を意識していないと、宅建業者が有効期間が過ぎたからという理由で放ったらかしにしてた、という事態にもなり得ますので、くれぐれもご注意ください。

【指定流通機構への物件登録義務】

指定流通機構(レインズ)というのは、法律に基づいて設立された、公益社団法人です。

行政の機関の一つで、まともな不動産会社であれば、基本的には誰でも閲覧することができます。

不動産を探すときは日本人全員が、このレインズを見れるようになれば、不動産業界は良い方向に変わるのですが、その話しはさておきまして(詳しくは記事「悪しき慣習囲い込みとは」をご覧ください)、福岡だと西日本レインズに登録する格好となります。

この登録については、専任媒介契約と専属専任媒介契約は「義務」となってます。

つまり、登録しないと宅建業法違反です。

一般的に不動産を探す方は、ポータルサイト(アットホームやスーモなど)を閲覧しつつ不動産会社に行って相談するという形をとると思いますが、不動産業者自体が、このレインズをよく閲覧しておりますので、これに登録されているかいないかで大きく差が出てしまいます。

一般媒介契約だと、それが義務化されてないので、登録されてないこともあるでしょう。

【業務状況の報告義務】

これも業者の義務の一つで、専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合は、それぞれ義務化されてます。

内容としては、業者から売主に対し、

・どういう広告方法で募集を行なっているか

・どのような問い合わせがあってるか

・今後の方針について

などを報告します。

専任媒介契約⇨2週間に1回以上

専属専任媒介契約⇨1週間に1回以上

一般媒介契約は特に規制がありません。

この報告により、売主も相場感が掴めてきますし、業者との信頼関係もできてきますので、売却や、売却後の契約〜引き渡しまでの一連の手続きにおいても、スムーズに行うことができるようになります

これまで見てきた媒介契約の種類や違いを表にまとめました。

それぞれのメリット・デメリットは!?

それぞれの媒介契約がどのような方に向いてるか、メリット・デメリットも交えてまとめてみました。

 

◆複数の業者に依頼して少しでも多く宣伝したい方

➡︎一般媒介契約

<売主目線>

メリット:複数の業者で売りに出せる

デメリット :複数の業者と連絡を取り合う為、情報が錯綜し収拾がつかなくなる 。

また不動産流通機構(レインズ)への登録義務も無いので、自分で状況を把握しておかなければならない。

<業者目線>

メリット:プレッシャーは軽くなる

デメリット :他社で売れる確率が上がる分、自社での広告費がかけづらくなる

 

◆信頼できる一社に絞って売却を依頼したい方

➡︎専任媒介契約

<売主目線>

メリット:窓口が一つである為、意思疎通し易い

デメリット :信頼できない業者であっても契約期間内は他の業者に変えることができない

<業者目線>

メリット:売却できた場合、最低でも売主側から仲介手数料が入る為、宣伝広告費などをかけ易い

デメリット :売却できなかった場合の責任は重い

 

小まめなやり取りをしながら売却したい方

➡︎専属専任媒介契約

<売主目線>

メリット:窓口が一つで、週に一度の報告がある為、具に状況を把握できる

デメリット :自分で買主を見つけた場合でも、仲介業者を通さないといけない

<業者目線>

メリット:売却できた場合、最低でも売主側から仲介手数料が入る為、宣伝広告費などをかけ易い

デメリット :状況報告のスパンが短いため、作戦が練りづらい

媒介契約書に記載する内容は

不動産会社に相談し、どの形態の媒介契約にするかを決めたら、実際に媒介契約を行います。

記入事項としては、

 ①物件の所在地

②売買価格

③媒介契約の種類(一般・専任・専属専任

④有効期間・解除に関する事項

⑤指定流通機構への登録に関する事項

⑥報酬に関する事項(仲介手数料など)

⑦契約違反があった場合の措置

⑧媒介契約が標準媒介契約約款によるものか

ほとんどは業者側にて記入されてますので、お客様が記入する欄はは住所・氏名と印鑑ぐらいです。

内容を確認し、その他、いつから売り出しが始まるのか、連絡手段、鍵の保管場所、内覧時のことなどを決めておきます。

最後に

いかがでしたでしょうか。

かなり不動産業者目線の内容になってるかと思いますが、業者は売却に至るまでの間の相方でもあり得る存在なので、その目線を知っておけば、ご自身の作戦も立てやすくなるのではないかと思い、あえて意識的にそちらに比重を置いて、書いてみました。

不動産売却は、この媒介契約を選ぶところから始まってます。

ここの入り口を間違えると、ボタンをかけ違えるかのように全てがズレてきてしまい、結果、売却に時間がかかる、売却金額が下がってしまう、などの事態に陥ってしまいます。

不動産売買に答えはありません。

唯一、売った価格、買った価格が答えだと、そう思うしかないのが現実です。

それは不特定売買なので仕方のない部分もあるのですが、インターネットやSNSが普及した今の時代、分からない部分であっても極限まで数値化し、具体化し、その答えを見つけたい!とは思いませんでしょうか。

そのためにも、上の内容だけでも良いので「媒介契約」について理解を深めておけば、理想的な不動産取引により近づけるのではないかと、思います。

それでは

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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