令和地建株式会社
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2020年04月16日
本日のコラム

察する文化

春の嵐も過ぎ去り、本日も爽やか朝となっておりましたが、ニュースでは今「個別への給付か世帯に対する給付か」で揉めてるようです。

 

【麻生大臣、個別の現金給付は「スピード間に合わない」】

「スピードを大事にされるんだったら、世帯主をやらないと、奥さんの稼ぎの方が旦那の稼ぎより大きいという家もあるんじゃないの。個別にやり始めたらスピードは間に合いませんよ」(麻生太郎財務相)

 麻生大臣は、「自治体が個別に調べないといけないので、手間がかかる」として、給付対象の拡大には慎重な考えを示しました。そのうえで、「色々な要素を入れて制度を作り上げるには、ものすごく時間がかかる」と制度設計の難しさを強調しました。(TBS NEWS)

スピードを出したいのなら、全員に政府小切手を配れば良いと思うのですが。

財務省が出したくないんでしょうね。そしておそらく収束したら「コロナ増税」くると思います。すでに財政負担が…などと牽制してきておりますので。

とにかくケチで遅い。

例えば、「貸し借り」で見たとき、

Aさん:自転車貸して〜

Bさん:いいよ〜 油さすから待ってて〜

Aさん:いいよ〜 で、いつ頃になる〜?

Bさん:ブレーキも直すから待ってて〜

Aさん:いいよ〜 で、いつ頃になる〜?

Bさん:タイヤの調子も悪:からちょい待ってて〜

こういうやり取りをしてるように見えます。

Aさんがもし私なら、「あ〜、Bさんはきっと自転車を貸したくないんだろうな」と察します。

他には、

A男さん:今度ご飯行かない?

B子さん:いいよ〜

A男さん:いつ行こうか?

B子さん:今忙しいから予定空いたらね〜

A男さん:予定空くのはいつぐらい?

B子さん:来週にならないと分からな〜い

(来週になって)

A男さん:予定分かった〜?

B子さん:来月末まで予定いっぱいだったわ〜

私ならこの時点で「脈なし」と見ます。もっと言えば、「来週〜」と言われた段階で察します。

今の政府の出し惜しみも、「108兆円!!」などど言ってるだいぶ前の段階から、出し惜しんでるのは見え見えでしたが、皆様も同じように感じてるのではないでしょうか。

不動産取引の場面でもこういうことはよくあります。

そもそも「察する」というのは日本人独特の感性のようです。

例えば、行きつけの料理屋があったとして、そこへ行くと必ず「自分好みに味付けされたものを出してくれる」ことを尊ぶのです。

相手のことを察して、行動を取る、逆にそれができない人の評価が下がる文化、これを「ハイコンテクスト文化」と言います。

コンテクスト:言語や共通の知識・体験・価値観・考え方・習慣

欧米などの「ローコンテクスト文化」では、相手の意見が自分と違うことが前提となっている為、自分の意見を正確に分かりやすくはっきりと伝えることが重要視されます。

伝わってなければ、正確に伝えてない方が悪い、わけです。

不動産取引の場合ですと、

「古い家なのだから老朽化してて配管や水回りに多少不具合があることは(察して頂いた上で)ご承知おきください、責任は一切負えません」

このような感じです。一昔前の契約書はこれで済ませていたのですが、"いかにも日本人”という文脈ですね。

これが今では、

「配管や水回りは○月○日時点で確認済みです。その後の不具合について、○○については契約から○ヶ月以内に限り、○○がその補修費用を負担するものとします。○○については建築後の経年劣化による不具合も起こりうる為、契約不適合責任の対象から除外するものとします」

これは例ですが、このように、いつ、誰が、どのように、をはっきり相手に伝えなければならなくなりました。

これは契約社会、つまり欧米化が進んだと言えるでしょう。

良い部分も悪い部分もあります。

責任の所在がはっきりする点では良いでしょう。

ただ、はっきりさせ過ぎると、紛争が大きくなってしまうことも懸念されます。

あ〜言ったじゃないか!こう言ったじゃないか!!

これが無尽蔵に膨らみ、水掛け論に、やがて裁判に。

逆に双方の負担が増えるという結果になってしまうこともあります。

双方が自分の利得ばかりにこだわると、お互いにとって最善の選択にならないというのは、「新型コロナ問題をゲーム理論で考える」でも書きましたが、適材適所で、使い分けるようにするのが、よりベターでしょう。

麻生さんも、財務省官僚や今井補佐官から色々突き上げられてるようですが、私が思うに、分かっててやってる点で、タチが悪いと思うんです。

緊縮思考が日本のデフレ化と長期停滞の原因であることは、麻生さんは誰よりもと言っていいほど、理解してます。

それでもケチるのなら、それをはっきり主張した方が良いのではないでしょうかね。

「全員には出せないので我慢してください」

と。

皮肉なことですが、今の日本人は察してくれる人ばかりではないですから。

 

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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