令和地建株式会社
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2020年04月01日
不動産知識

IT重説で家にいても契約が!?

コロナ問題で外出を控えるように、もしくは自宅で仕事をするように、そんな急に言われてもですね…

ただ、世の中の流れとして、ミニマム化していってるのは否定できない部分もありますよね。

これは決して「小さくなっている」という意味ではなく、大量生産・大量消費の時代から「必要なものを選択して効率を最適化する」という意味です。

断捨離という言葉がひところ出回りましたが、それも一つの例でして、他にも、昔は車をたくさん持っているのがステータス、大きな敷地に大きな家がステータス、だったのが、最近は、機能性の高い車が必要な分だけ、家も、庭木は不要、庭石も不要、犬と子供が少し遊べるぐらいでOK、という傾向があります。

服も、たくさん持ってるより、よく着る服に絞って持っておくとか、何より、その最たるものはスマホでしょう。

メモもスケジュールも電卓もカメラもニュースも目覚まし時計も買い物も、全てスマホ一つで済みます。(なのになぜか未だにテーブルの上はごちゃごちゃしてますが)

そんな時代背景の中、不動産の取引の中でも「重説をWEBカメラで=IT重説」という流れができつつあります

これまで煩雑だった不動産契約の一連のやり取りを、ITを使ってどこまで簡略化できるか、コンパクトにできるか、今日はそのあたり「IT重説」について、簡単に説明いたします。

IT重説とは

「重説」とは、「重要事項説明」のことです。

重要事項説明とは、「資格(宅地建物取引士)を持った者が、不動産の賃貸や売買の契約に関する重要な事項を、「重要事項説明書」を元に、消費者(借主・買主)に対し説明すること」です。

「IT重説」とは、パソコン・スマホ・タブレット使ったテレビ通話を使い、この重要事項説明を受けることで、2017年10月に国土交通省が不動産業界のIT化を進めるため認められました。


これまでは、直接対面で重要事項を口頭説明することが宅地建物取引業法第35条で義務付けられていたのですが、これが家やお好きな場所で説明を受けられるようになったのです。

ただし、今のところ、賃貸借契約の場合のみ、です。

IT重説のメリットは!?

これまで対面だったものがIT媒体で可能になったので、メリットはたくさんあります。

①時間的メリット

これがまず一番でしょう。家やお近くのカフェでも「重説」を受けられるので、移動や日程調整をする必要はほぼ無くなります。重説にかかる時間は、おおよそ30〜1時間ぐらいなので、その時間のみ空けていただければ終わります。

特に今、コロナ問題で外出もなるだけ控えたい状況ではありますので、このメリットは大きいですね。

②金銭的メリット

店舗や外で重説を受ける場合は、移動する為の交通費や駐車場代がかかります。特に遠方だった場合に受けるメリットは数万円になることもあります。

③証拠が残せる

これについては対面の場合でも可能ですが、PCやアプリに録画録音機能がついていれば、よりカンタンにその内容を記録することができます。ただ、個人情報保護や、編集なども可能になってしまう為、国土交通省で、以下のような対応を求めてます。

・IT重説の実施中の状況について、録画・録音をする場合には、利用目的を可能な 限り明らかにして、宅建業者と説明の相手方の双方了解のもとで行う。

・重要事項説明の実施途中で、録画・録音をすることが不適切であると判断される 情報が含まれる場合(例えば、説明の関係者の機微情報等が含まれる場合等)に ついては、適宜、録画・録音を中断する旨を説明の相手方にも伝え、必要に応じて 録画・録音の再開を行う。

・宅建業者が録画・録音により記録を残す場合、説明の相手方の求めに応じて、そ の複製を提供する。

④精神的メリット

インターネットさえ繋がっていれば、お好きな場所を選ぶことができるので、ご自分がリラックスした環境で重説を受けることができます。

緊張した場面や場所だと、どうしても聞き漏らしたり、質問をし忘れたりすることがありますので、このメリットも大きそうですね。

IT重説のデメリットは!?

やはりインターネットを介したテレビ電話で行いますので、電波環境の問題があります。

国土交通省による実証実験によると、

IT重説における機器のトラブル発生状況 社会実験では、IT重説の実施件数の約 1 割で、何らかの機器のトラブルが発生し ました。そのうちの約半数が、一時的なケースも含めて音声が聞こえなくなるというもので あり、次いで約1/4が一時的なケースも含めて画像が見えなくなったり、乱れたりする ものでした。多くは、インターネットの接続状況を原因とするもので、すぐに回復するもの が多いとされています。 IT重説の実施中に、機器のトラブルが生じた場合には、インターネットの回線の状況 や、携帯電話網を使っている場合には、その電波の状況等を確認することが重要で す。

(出所:第3回 ITを活用した重要事項説明に係る社会実験に関する検証検討会 資料)

その他、

①ITツール導入の手間

②書面を見ながらの説明なので、取引士の姿(表情)が見辛い

③意思の疎通に違和感がある

このようなものがあるようですが、最近のパソコンにはカメラが内蔵されてますし、ギガフリーのプロバイダーも多くなってきてるので、この辺りは、将来的に改善していくものと思われます。

大まかな流れについて

大まかな流れは上図のようになります。

①物件が決まる

②取引士が重要事項説明書を作成し署名押印

③重要事項説明書を郵送で送付し、借主が受け取る

④日時を決めて端末を手元に用意する

⑤通信状況を確認し、IT重説を受ける

⑥重要事項説明書に署名と捺印して返送(この時身分証などの書類を求められることがあります)

特に注意する点はないですが、重要事項説明書に契約書も付随してる場合が多く、その場合はこの一連のやり取りで契約が完結し、その後は鍵の受け渡し→引っ越しです。

なので、不明な点や相談したいことなどは、署名押印する前に全て聞いておくようにしましょう。

物件の内覧はどうするの!?

実際に行った実証事例では、IT重説を受けた人の8割が、事前に内覧をしております。

近隣の環境や店舗の状況、道路の様子等々、また、実際に見なければ分からない「空気」のようなものもありますからね。

お客様によっては「臭い」や土地の「気」を気になさる方もいらっしゃいます。

それはさすがの5Gでも伝わりませんからね。。

ただ、VR(バーチャルリアリティ)内覧というものもぼちぼち広まりつつあります。

これはVRカメラを使って撮影したもの専用のVRゴーグルで見る内覧ですが、すでに自宅やご自分でこのようなゴーグルをお持ちの方は、多少は”よりリアルに”に中を見ることができるかもしれません。

最近はGoogleマップやストリートビューでも近隣の状況はかなり把握できますし、実際に現物を見ることにこだわらない方も増えてきています。

そもそもIT重説をご希望される方は、それなりの理由があるわけですので、内覧の形も今後変わっていくかもしれません。

必要なもの、必要な環境は!?

特別に用意するものはないのですが、

・パソコン、スマホ、タブレットなどテレビ電話が可能な端末

・LINEやスカイプなど、映像を通した通話が可能なアプリ

あとは不動産会社から書類が郵送されるので、その受け取りと返送が必要です。

環境としては、

・双方の映像や音声を確認できること(文字や画像まで)

・説明の相手方に事前に送付している重要事項説明書等が、説明の相手方の手元にあること

が整っていることが必要です。

最後に

できるだけコンパクトにしたつもりでしたが、長くなってしまいました。

いかがでしたでしょうか。

IT重説は、今のところ「賃貸のみ」です。売買は、扱う項目が複雑で、金額も大きいので、まだすぐには難しいかもしれません。

ただ、賃貸に限った話としても、これから5Gのエリアが広がり、VRゴーグルも浸透していけば、家にいて「内覧〜契約〜支払い」の全てを数時間で済ませ、あとは引っ越すだけ、鍵はスマートキー(スマートフォンをかざして解錠する鍵)、なんて時代も来るかもしれませんね。

冒頭にも書きましたが、最近は生活をよりコンパクトに、よりスマートに削る傾向があります。もちろん便利にはなりますが、デメリットもあります。

それでもボタン一つで家の玄関先まで米が届く時代になったのは、便利になった、と言えるでしょう。

スマホやPCで数時間で不動産の取引ができるようになれば、荷物は最低限にしてあちこちに引っ越しながら仕事はインターネットで、という時代も来るのかもしれません。数十年先は、一つのところに留まって何年も何十年もそこで生活するのは古いスタイルになってるのかもしれませんね。

便利さを求めてそうなっていくのか、地球環境がそうさせるのか、特に何も変わらないのか、は分かりませんが、少なくともIT重説が安全な法整備の元で浸透すれば「時間を作る」という面では、メリットがありそうです。

あえてメリットの部分だけを見ればの話ですが。。

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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