令和地建株式会社
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2020年03月29日
不動産知識

隣から越境してきた枝木でお困りの方へ

基本的には所有権は「物を自由に使用、収益、処分することのできる権利」なので、その支配については誰の干渉も受けないのが原則なのですが、土地ということになるとそうはいかない場合があります。

それが相隣関係の問題です。

隣合う土地同士、相互に利用を調整し、その土地の効能を最大限活かすために民法では相隣関係について、様々な定めがあります。

本日はどのようなものがあるのかとその中身をざっくりとまとめましたので、ご覧ください。

代表的な事例として

よくあるのが、木の枝ですね。

これは我々業者も、本当によく相談を受ける問題です。

私共が仲介をさせて頂いた土地や家の買主の方から、

「隣の家の枝葉がこちらの敷地に入ってきており、庭に枯葉が落ちてくるので困っている」

このようなご相談です。

仲介の際であれば、この問題を解決した後に引き渡しますのでご相談を受けることもないのですが、季節が移り変わった後、半年後などによくある相談事です。

まず、これは仲介業者ではなく、当人同士の問題ですね。

とは言え、ご相談を受けたからにはどのように解決するかをアドバイスさせていただくのですが、

その内容は、

①土地の所有権自体は、上下(空にも)に及ぶこと

②根はこちらで切っても良い

③枝木については、隣の人に言って切ってもらう

④切ってくれない場合は、裁判所に申し立てる

これがあくまでも法律上の原則です。

なので、例えば「根が越境してきて竹の子が生えてきた」場合は、こちらで採取しても良いのです。

ただ、現実ではそうもいかないことがあります。

越境はしてないが枝葉はこちらに落ちてくる

枯れるのが怖いので根であっても勝手には切りづらい

隣の方が行方不明(もしくは相続などで連絡先不明)

他にも色々ありますが、主にはこのようなご相談があります。

その都度対応方法を協議してますが、うかつに我々が私人間の問題に介入することもできないので、あくまでもアドバイス程度にはなりますが。

何れにしても、購入時や、隣の方と連絡が取れるうちに、覚書(例えば「指定した木の枝が越境した場合、越境部分についてはこちら側で切っても良い、その費用は請求しないこと」などのような)を交わしておくと、良いかと思います。

ブロック塀の記事でも書きましたが(→ブロック塀の危険性)、早いうちにやっておくと、将来の被害を抑えることができるので、これから春〜夏を迎えるこの時期、今一度点検をしておくと良いかと思います。

他にはどんなものが!?

隣近所との問題として、他にどのようなものがあるのか、書き出してみます。

①隣地使用権

塀や建物を作ったり、修理するために必要な範囲で、隣の敷地の使用を求めることができます(209条)→隣地所有者の承諾が必要。承諾が得られないときは判決で得ることができます。

②公道に至るための土地の通行権

袋地を所有する者は、行動に出るために他人の土地を通ることができる(210〜213条)→隣地所有者にとって最も損害の少ない範囲に限定されます。

③排水権

自然の地形で発生する自然の水は低地の人が止めてはならない。また他人の地に意図的に雨水や排水を流すことはできない、など(214〜220条)→流れ出る水の種類によって異なります

④流水利用権(水利権)

土地の所有者は、他人が作った流水用の設備を利用することができる、など(221条〜222条)→費用の分担金が発生する場合があります

⑤境界標設置権

隣の土地の所有者との共同の費用で、境界標を設置することができる(223〜224条)→境界確定訴訟の判決が確定していれば、単独で可能です。

⑥囲障設置権

隣の建物との間に空間があるときは、共同の費用でその境界に囲障の設置をすることができる、など(225〜232条)

⑦竹木及び根の切除権(上の例)

竹木の枝が越境してきた場合は、所有者(隣地の人)に剪定させることができる。また、根は、自分で切ることができる(233条)

⑧境界付近の建築制限

建物を作るときには、境界線より50㎝以上話さなければならない(234条)→都市計画法で別の制限がある場合があるので要注意

⑨目隠しを作らせる権利

境界線より1m未満の距離で他人の宅地が見える窓、縁側(ベランダなど)を設置する場合には、目隠しを設置しなければならない、など(235条)→必ず、ではありません。接する部屋の用途や大きさなどにより異なります。

⑩境界付近の掘削の制限

井戸、用水溜、下水溜、肥料溜を掘るには、境界線から2m以上、池、穴蔵、屎尿溜を掘るには1m以上離さなければならない(237条)→隣地所有者の承諾があれば、これらの適用はありませんが、隣地所有者が将来的に変わることもあるので、覚書などを残しておく必要があります。

ざっくりですが、このようなものがあります。赤文字で注意点も書いておきました。

まとめ

いかがでしょうか。

隣地の樹木では、日照の問題もあったりします。

また、流れてくる雨水で、土留めの塀が決壊してしまったり…

確定測量をしたら、屋根の一部がはみ出てることが判明したり…

色々とある相隣問題ですが、日本では狭いところに密集させて団地が形成されている場合が多いので、少なかず、色々と問題が出て参ります。

裁判などで解決しても、その後のこともありますので、その都度お互いが譲り合って解決していかないと、ですね。

「マスクは譲らないが、木の根は譲る」のでしょうか。。

う〜ん(_ _).。o○

 

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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