令和地建株式会社
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2020年03月02日
不動産知識

不動産会社の選び方

不動産売買の方法も、明らかに昔と変わってきてます。インターネットとスマートフォンの普及が大きな要因だとは思いますが、日本という国独特の理由もあるようです。例えば、アメリカでは不動産市場は新築・中古、共に伸びてます。人口も増えており、名目GDPもこの20年間の間に2〜3倍。一方日本はというと、

・東京ばかり人口が増え、全体としては人口減

・外国人移民増加(非正規雇用拡大)

・直近のGDPは名目値も実質値も下落

・実質賃金は20年間下落

・一部では物価が上がって賃金が下がるスタグフレーション

・1〜3月でリセッション確実

・直近の新築着工件数は10%減

暗いですね。オリンピックと海外需要に頼ったツケとも言うべきでしょうが、そんな中、中古の不動産市場はと言うと、実は、上がってるんです。

福岡県はデータが無いので、参考までに首都圏で見てみると、

これ、中古マンションではないんです。中古の戸建です。

小泉政権時代からは見れば大幅に下がってはおりますが、それでも他の要因(輸入や物価)もあってのことですので、この中古住宅市場の伸びは、注目すべきだと思われます。

背景には、日本が国策として新築住宅ばかりに税制上の優遇や補助をしてきたので、これまで中古住宅市場が全く手付かずになっており、ようやく4〜5年前から国が本腰を入れ始めた、というのもあるかと思います。

そんな中、こういった不動産を売買するにあたり、

売主は出来るだけ高く

買主は出来るだけ安く

という、不動産売買のジレンマがあるわけですが、着地がとても難しい。

理由としては、

金額が大きい

法的な縛りが多い

目に見えない箇所の傷(瑕疵)でトラブルになる

持ち主が複数人の場合がある

他にもたくさん要因はありますが、こういった理由があり、トラブルや違法取引が無いよう保険や協会などに加入している不動産業者に仲介をお願いする、というのが日本では一般的になっています。

不動産自体を選ぶのが先か、業者を選ぶのが先か

買主側の目線で見てみましょう。

まず、不動産自体を選ぶのが先か、業者を選ぶのが先かという問題があります。

と申しますのも、仮にとても気に入った家が2件あったとします。優先順位で、

1番 Aという物件

2番 Bという物件

だったとします。ところがそれぞれ、仲介業者(不動産会社)が異なったとします。

1番 Aという物件→C不動産

2番 Bという物件→D不動産

この買主さんは、優先順位が上であるAという物件が欲しいため、C不動産に問い合わせました。ところが、C不動産が悪徳業者だということが判明しました(物件Aは釣り物件だったなど)。慌てて、D不動産にB物件を問い合わせたところ、もう既に売れてしまってました。

 

実際、このようなことが起こるんです。

不動産は動産と違い、基本は一点ものです。「より良いもの」という観念が無く、何かを取ると何かを失う、「駅近は便利だが高い」「鉄筋は断熱に優れて丈夫だが、風通しが悪く高い」「安くて立地はいいが、築年数が古い」…と、様々ある中、ようやく2者択一まで絞ったところで、上記のようなことがあると、人生計画そのものにも影響しかねないため、トラブルになるんです。

そこで、このようなことを回避する為に、下図のようにするとどうでしょうか。

 

 

この場合、不動産のプロであるE不動産が、A物件とB物件を調査し、C不動産とD不動産に問い合わせ、どちらがいいかをあらゆる手段を使って情報収集し、見極めます。これが仕事ですのでもちろん必死です。

C不動産が悪徳と分かれば、即、D不動産を、手付けを入れるなどして抑えるでしょう。

無事、この買主さんはB物件を手に入れることができました。

この例で言いますと、めぼしい物件にアタリを付ける段階で、信頼できる不動産業者を決めておくのが良さそうです。

売主目線で

次に売主側の目線で見てみます。当然「高く売りたい」という希望はどなたでも少なからずあると思いますが、それ以外にも、お金の要り用がある為、「早く売りたい」や、トラブルを避けたいので「安全に売りたい」などもあります。

大きくはこの3点の要素について優先順位をつけて売却なさる場合が多いと思います。そこで、実際に起こった事例で、売却をお願いする不動産業者をどう選ぶか、ご説明します。

事例でご紹介!

ある売主さんは、ご自身所有のA物件(中古住宅)を2000万円で売る契約をB不動産と締結しました(媒介契約)。内覧もいくつかあり、その中で、「前向きに検討したい・購入したい」と申し出る買主さんもちらほら出てきました。ところがそこで、C不動産という別の業者が、「もったいない!うちなら2200万円で売りますよ」と、売主さんに近づいてきました。売主さんの優先順位は、安全な取引は言うまでもありませんが、売却時期より金額を優先していたので、C不動産に乗り換えてしまいました。(この時点で、B不動産との媒介契約を破棄し、C不動産と媒介契約を再締結)

その後、C不動産から売主さんのところに、週に2~3回お電話があります。内容は、

「買いたいと言う方がいらっしゃいますので、時期を見て内覧させてください」

「先日内覧が入りました!」

「現在一日に2~3件のお問い合わせがあっております」

売主さんは、このまま待っておけば2200万円で売れるだろう、と思い、B不動産との契約破棄を喜んでました。

ところが、もう半年以上過ぎてるのに、いつまで経っても契約に至りません。

そうです、このC不動産の言ってることは、ほぼ全て嘘だったのです。

売主さんも不審に思い、再びB不動産に相談しました。B不動産は同じ不動産業者なので、C不動産のやってることはすぐに分かります。それを説明し、売主さんに理解してもらい、再びB不動産と媒介契約を再締結。時間も経過した為、水回りや床、クロスのリフォームを入れ(約200万円)、前回と同じ価格2000万円で売り出しました。

この時点では、当初の売り出しより1年近く経過しています。

ところが、実際に売却できた金額は1850万円。これが、現実なのです。

1年前であれば2000万円の所得。

それが、手出しで200万円あるので、1650万円まで下がってしまいました。

その理由は!?

理由を説明します。

端的に言えば「時間が経過し、鮮度が落ちた」からです。つまり、「ポータルサイトやホームページ上での掲載期間が長くなり、珍しさと目新しさを損なった」のです。

人はファースインパクトで「買う」という行動を起こしがちです。傾向として「1年後にもらう¥11,000より、今日もらう¥10,000」を取ってしまうのです。

脳の報酬系とも関連してますが、良いもの、新しいもの、珍しいものなどを見て感動した(心を動かされた)時、脳からドーパミンが出ます。それが心地よく、前頭葉の働きを抑制して、つい衝動買いしてしまうのです。

逆にそれが無ければ慎重になり過ぎてしまい、後で後悔することにもなりますので、それ自体が悪いことでは決してないのですが。

長いこと売りに出てる家も、それを見てる側からすれば、最初は良いと感じたが、時間とともにそれも薄れ、しまいには見飽きたと感じるようになったり、いわく付きの物件ではないかと疑ってみたり、事情を抱えてるのではないかとうがった見方をしてしまったりと、マイナス要因が強まり、売れ残るのです。

他に、その時の経済状況もあるでしょう。供給が需要を上回るいわゆる「デフレギャップ」状態では、物の値段は下がります。人口減で、「家を買う人より売る人が多くなる」という買い手市場では、主導権は買い手にありますので、当然に値下げ圧力です。

 

 

効率の良い売り方は!?

結果、売主さんは350万円と1年間という時間を失いました。

つまり、最初のB不動産が査定した「2000万円」という金額が、一番鮮度と市場のバランスが取れていた、ということになるのです。

この「鮮度と市場のバランス」で売るのが不動産売買です。

メルカリやヤフオクでも同じですが、出品した最初の段階が一番高値で売れるのです。もちろんインフレ期(インフレにも様々な要因がありますが、ここでは需要が供給を上回るインフレギャップ時)は違います。例えば、今のマスク。供給が間に合ってないので、高値で転売してますが、これも一つのインフレです。ところが、マクロで見れば日本は97年以降、長期停滞です。さらに人口減と住宅供給過多。明らかにデフレギャップ状態(供給が需要を上回っている)です。

このような時は、人は購買意欲が削がれてますが、購買目的は様々あるので、需要自体がなくなってるわけではありません。

そこで不動産の場合にも、売り出す際には「売り出し価格と3ヶ月以内の売却」がもっとも効率の良い売り方、と言えます。3ヶ月と言わず、1〜2ヶ月かもしれないほど、鮮度というのが大事なのです。当初価格のインパクトで売り切る!そういう時代なのです。

不動産会社を選ぶコツ

そこで売る場合の不動産会社の選び方としては、

・地元の市場に詳しい

・売り手の要望に真摯に対応してくれる

・査定価格に根拠がある

以上を基に、実際に会って話して見ることです。よく電話やインターネットで「その場で査定」的なものを見かけますが、あれはほとんどが”釣り”です。そこからページに入ってもらうのが目的ですので気をつけましょう。

今の時代、どの不動産業者も、ページや店頭に物件を並べて店や会社を大きく見せたいのです。これはバンドワゴン効果と言って、行列のある店に人は惹かれてしまうのを利用した表現手法です。物件を並べるのが優先で、売主の優先事項は後回し、こういった業者が多いので気をつけましょう

 

まとめ

というわけで、本日は「不動会社の選び方」というタイトルで、買主側と売主側、両方の視点に立ち、解説いたしました。

どちらの視点からも同じことが言えるのがお分りいただけたかと思いますが、主には、

●お客様の立場で仕事をしてるか、会社の都合で仕事をしているかを見極めること

●直接会って話すこと

●言ってることに根拠があるのかを見極めること

よく、どの業者を選んで良いか分からない場合、親族やご友人に相談される方もいらっしゃいますが、余計分からなくなることも多々あります。

最後はご自分の判断です。

良いものが納得のいく金額で買うことができれば一生ものですし、納得のいく金額で売れれば次のステージに気持ちよく進めます。

是非、大事な資産で生活を損なわないよう、お気をつけくださいね。

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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