令和地建株式会社
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2020年12月13日
不動産知識

心理学で見る売却価格の誤謬性

メルカリをしていて最近よく感じることがあるのですが、

やたら高く出す人、多くないですか!?

メルカリって、そもそも安く買えるから見るものであって、店頭やAmazon、楽天などとそれほど価格が変わらないのであれば、わざわざリスクの高い個人間売買はしないと思いますが、いかがでしょうか。

私は釣りとサーフィンをやるので、それに関連した商品を買うことが多いのですが、下手すれば店頭より割高になってるものも、少なくありません。

それは、品切れや生産中止品などで「プレミア」が付いたということなのでしょうが、それにしても高い気がします。

重要と供給で売買が成り立つので、「高くても欲しい」という方がいる以上、金額は自由ではありますが、それにしても高い商品がよくあります。

今日は、それは何故か、というお話です。

以前にもこのお話しはしたかと思いますが、理由は、簡単に言えば人間は自分の所有物を1〜2割高く見積もるから、です。

これは心理学で言うところの「保有効果」というもので、

人は、自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと思う

という心理からくるものです。

よくある宣伝文句の、

効果が見られなければ、いつでも返品可能

という文言も、人がこの「保有効果」により、手放さないことを見越したものなのです。

その結果、個人間売買では、買う側から見ると、

少し高い

と感じることが多く、だいたいその割合が1〜2割という場合が多いのです。

売り手の設定した価格は、あくまでも

これで売れる

と判断した価値基準ですが、その価値基準自体が買い手から見れば高いのです。

これは不動産売買でも日常的によくあります。

自分の家を売りに出す際、例えば、

土地面積 70坪

築年数 40年

駐車場1台

だったとします。

さらに、建てた当時、3500万円かかってたとします。

売り出し価格は、半値としても1750万円 。

ただし、近隣の土地価格は坪単価で10万円前後(昔は20万円/坪)に落ちたので、頑張って1500万円と自分なりの査定をしたとします。

不動産会社にその価格で依頼したところ、半年経っても音沙汰なし。

結局1400万円→1300万円→1200万円 、ここでやっと成約

最初から比較すると、1500万円→1200万円なので、2割減

結果、当初2割高く見積もっていた、ということになります。

これはあくまでも例ですが、このパターンがとても多いんですね。

それでも売れたからいいじゃないか、とも感じるかもしれませんが、売買というものはそう簡単ではないんです

現在のデフレ下においては、モノの価値が下がり、相対的に「お金の価値」が上がっています

上がっているので、買えるものも増えています。

例えば、以前は1000円で一つ買ってたものが、今は5000円出せば6つ買える時代です。

デフレが進行している最中では、買う側からすれば価格が下がっていくので、待てば待つほど安く買えます

当初1500万円で売り出した家のお話の戻しますと、

「最終的に半年後1200万円で売れた」

という事実には、実は、デフレによる値下げ分も含まれているのです。

また、不動産売買は一点モノである場合が多く、稀少性を感じるものを高く評価してしまいスノッブ効果、そのチャンスを逃したくない心理プロスペクト理論も働くので、売り出した直後がもっとも高く評価され、その後時間の経過とともにその価値が低下していく傾向があります

例えば、ずーっと売れない物件より、出たばかりの物件の方が新鮮に、価値が高く見えること、ありませんか?

同じ場所の同じ価格の物件でも、時間の経過の少ない方が、価値が上に見えるんです。野菜で言うところの鮮度、と言い換えれば、分かりやすいかと思います。

先ほどの例ですと、

1500万円の家が、最終1200万円まで下げたところで売れた

という見方は正確ではなく、実際は、

最初の売り出し価格(1500万円)が高すぎた為に、最終売却価格が落ちてしまった

と見るのが、正しいのです。

例えば、鮮度が最も高い”当初の売り出し価格”を1350万円でスタートしていれば、値交渉があったとしても1300万円で売れていた、となる場合が、とても多いんですね。

この3つの心理作用、複数の現実を同時並行して見ることはできないので、理解したくてもなかなか簡単ではないのですが、不動産売買の場をなんども経験してきて、よく感じることなので、記事にさせていただきました。

そう考えると、

メルカリがちょい高く感じる!?

のもある意味、仕方ないんです。

買う側の心理の「わざわざメルカリで高く買わない」ことを考えればすぐに理解できると思うのですが、売る側目線としては認知的不協和もあるのでなかなか難しいのでしょう。

結果、本来売れたはずの価格より安くなってしまう、という事態が、1〜2千円ぐらいであればまだマシなのですが、数十万円、数百万円ともなるとタダ事ではありませんので、ご注意くださいね!

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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