令和地建株式会社
9:00-18:00
年中無休
2020年05月25日
不動産知識

道路の種類と注意点

前回に続き道路ネタをお送りします。

普段何気なく使ってる道路、結構奥が深いので、あまり突っ込みすぎると抜け出せなくなってしまいます。

かといって、知らないまま放っておいていきなり「通行禁止!」と言われ大騒動に発展した長崎の事例などもありますので、(前回記事→「私道と通行地役権の関係」)今日は大まかなところだけに的を絞って、解説したいと思います。

接道義務とは  

土地に建物を建てる場合、「建築基準法」に即したものを建てなければ、違法建築となります。

違法建築物、宗像市や福津市内でも山間部の方にはまだいくつか見られますが、違法建築物の売買契約も、法的には可能です。

住民票を移すことももちろん可能ですし、土地にも建物にも固定資産税はしっかりとかかります。

ただし、除去命令がなされたり、税制上の優遇が受けられません。

なので、まずその土地に合法的に建物を建てることができるのか、もしくは建っている建物が建築基準法を満たしているのか、などはしっかりと確認しておく必要があります。

接道に関しまして、建築基準法では、

都市計画区域内及び準都市計画区域内の土地の上に建物を建てるためには、その敷地が幅員4m以上の道路に幅2m以上接続していなければならない

とされてます。これを接道義務と言います。まずはこれが基本です。

例えば、今度売り出しが始まります「福間駅東3丁目」のC号地を例に見ますと、

6m幅の道路に19.6m接しているので、OKです。

この4区画は周りの道路が全て4m以上の幅ですので、接道してる長さだけが問題です。

そこで、例えば、

このような土地を旗竿地と呼んだりしますが、4m以上の幅の道路に、2m接しているのでOKです。

この「4m」という部分が大規模建築物では「6m」必要であったり、各地の条例等により必要な接道の長さが変わってたりする場合もありますので、注意が必要です。

各自治体の「都市計画課」で教えてもらえますが、不確かな場合は不動産業者に尋ねてみると良いと思います。

さて、建築基準法では「4m以上の道路に幅2m以上接続」となってますが、その「道路」とはどういうものが該当するのでしょうか。

ただ、「アスファルトが敷かれてみんなが使っていれば道路」というわけではありません。

市や県が管理していれば良いというものでもなく、個人の管理でも「道路」と認められ場合もあります。

次はその種類を見ていきます。

道路の種類

接道義務を満たしてなければ、合法的に建築できません。

その接道義務を満たすためには、建築基準法で定められた道路に必要幅(基本は2m)接してないといけません。

その「建築基準法で定められた道路」とはどのようなものがあるのでしょうか。

①1項1号道路

道路法にいう道路(国道や県道、市道などの公道のこと)で、幅員が4m以上ある道路

→ほとんどが市や県が管理してるようなよくある道路で4m以上の幅があるものです。行政が管理してるので、私人間のトラブルは起きづらく、埋設管(水道、下水管など)の問題も、行政との協議となりますので、補助金などが受けられたりする場合もあり、割とすっきり行く場合が多いです。

②1項2号道路

都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などで定められた道路などで、幅員が4m以上の道路

→デベロッパーなどが大規模開発してる途中の道路です。所有上はまだ私道だが、これから開発が終えて1項1号になるような道路です。「開発中に家を建築する場合に認定を受けるための道路」ということです。

③既存道路

その敷地のある地域が、都市計画区域に指定された時すでにあった道路で、幅員が4m以上のもの

→わかりづらいですが、要は昔からある道路で幅が4m以上のもの、です。建築基準法が定められた昭和25年11月23日当時、すでに4mの幅があったものは、公道だろうが私道だろうが道路として認めましょう、ということです。逆を言えば、建築基準法なるものは後から作られたので、その前から基準を満たしているものはOKという、法律の世界ではよくある判断ですね。「市街化調整区域になる前から合法的に家が建っていた場合はその場所で再建築可」と少し似てますね。

④計画道路

道路法などによって新設または変更の事業計画のある道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁(都道府県知事または市町村長のこと)が指定したもので、幅員が4m以上のもの

→現在は道路ではないが、これから2年以内に道路になる予定のもの、です。「計画道路」や「大規模開発道路」とも言われます。もし自分が持っている土地自体が42条1項4号道路に指定されてしまうと、その土地上では建物の建築がしづらくなります。「計画決定」段階では「木造・鉄骨造などで2階建まで」、「事業決定」段階になると、まず建築許可がおりません。「計画決定」段階だったものが、突如、「事業決定」になり、建築ができなくなるなどという不測の事態もあり得るので、注意が必要です!

⑤位置指定道路

特定行政庁からその位置の指定を受けた、幅員が4m以上の私道

→これがよくある、いわゆる難しい道路です。見た目は道路に接してなくても、県などから指定を受けることができればOKとなる(建築基準法の道路と見なされる)ので、可能性がとてつもなく広がるのがお分り頂けますでしょうか。難しいので、あとで別に説明いたします。

⑥2項道路

建築基準法が施行された時にすでに建物が立ち並んでいた道路で、道幅が1.8m以上4m未満のもので、特定行政庁が指定したもの

→昔(昭和25年11月23日以前)から建物が立ち並んでいたという事実が大事なのですが、4mに満たない場合は、満たすように拡張しなければなりません(セットバック)。宗像市内では「三倉」や、福津市内では「福間南」の団地内にちょくちょく見られます。こちらも市役所の都市計画課で確認ができますが、備え付けのものは県が指定したものの「写し」ですので、県の土木事務所で確認しなければなりません。ただ、土木事務所でも「現況優先」「あくまでも参考までに」などと、はっきりした回答を得ることが出来ないこともあります。これは、その都度現地を確認して、要件を満たすかの測定をしなければならないため、このようにぼかすのです。個人でお調べになっても良いのですが、不安な方は信頼できる不動産業者に問い合わせるのが良いかと思われます。

⑦6項道路

42条2項道路のうち、建築審査会の同意を得た道幅1.8m未満の道路のこと

→ほとんど見かけませんが、1.8未満で2項道路の要件を満たしていなくても、建築審査会で同意を得ることができれば、建築可能になる場合がある、ぐらいで覚えておけば良いと思います。

位置指定道路とは

位置指定道路は、基本、私道です。

元々は土地や、建築ができない道路であったものを、特定行政庁から指定を受けて建築が可能になった道路のことです。

私道であることには変わりないのですが、「建築基準法で認められた道路」となりますので、接道している土地上で建築可能となります。

ただ、あくまでも私道ですので、その道路にかかる維持管理費用は、所有者負担となります。(通常、分割所有となってます)

上図の例だと、四つの土地に分割されてますので、それぞれの所有者が話しあって共同で負担するなどして、管理することになります。

また、基準を満たしていれば市の補助金などを受けられる場合もありますので、各自治体の道路課(道路管理課)等に問い合わせてみると良いと思います。

買った土地の全面が「位置指定道路」だった場合、思わぬ負担が発生することもありますので、事前にチェックが必要です。

また、水道管などが埋設されている場合、その本管の補修費用も原則、道路の所有者全員での負担となります。ただこれも水道局からの補助金などがある場合が多いので、問い合わせみるると良いでしょう。

宅内への引き込み管が損傷した場合は、それぞれ所有者負担となる場合がほとんどです)

位置指定道路として認められるためには4m以上の幅員が必要です。

道路としての位置指定を受けると、その所有者が自由に変更することができなくなります。当然、その土地上に建物を立てたり、その道路を廃止することもできなくなります。

また、位置指定道路=私道だからと言って、自由に自分の車を停めることができるというわけではありません。公共物という扱いで、公道と同じ、道路交通法が適用されます。

(参考:自動車の保管場所の確保等に関する法律 第十一条

あと、宗像市の武丸などで見られますが、昔からある道路に家の立ち並びがあって、見かけ上、普通の公道(宗像市が管理する道路)に見えるのですが、調べてみると位置指定道路だったという場合が、稀にあります。

必ずしも開発やミニ開発されたような土地ばかりではなく、一見、普通の公道に接する土地であっても、それが位置指定道路という場合も十分ありえますので、ご注意ください。

もちろん、「位置指定道路だから悪い」というわけではありません。

管理も、共有者間でしっかりなされていて、たまたま市に移管されてないだけという場所も、結構あります。そういう場所は、周りに比べ比較的安く土地を購入することができますので、メリットも十分あるんです。

二項道路とは

位置指定道路と並んで厄介な道路が、「二項道路」です。

都市計画区域内では、幅員4m以上の道路に接続している土地でなければ原則として建物を建てることができません。

しかし、道路交通の発達していない頃から存在する道路には幅員4m未満のものも多く存在し、そういった道路に接している土地がとても多いため、例外を認めないと、新しく建物を建てることができない土地がたくさん発生してしまいます。

その「例外」の一つが二項道路ですが、要件は、

建築基準法が施行された昭和25年当時、すでに建物が立ち並んでいた4m未満の道で、特定行政庁の指定を受けた道路は、建築基準法の道路とみなされる

とされてます。

二項道路の場合、道路の中心線から2m後退した線を道路の境界線とみなします。

上図の場合、道路幅が3.6mなので、その半分の1.8mとの差である20㎝引いた線が土地と道路の境界線となります。

このように、2m後退した場所に境界線を置くことを、セットバックと言います。

セットバックした部分は道路みなされるため、建物を建てることはもちろん、私物を置くこともできません。

建ぺい率や容積率の算定にあたっても、この部分は除外して計算されます。

このように、中心から「2mのセットバック」を向かいの土地やその他でも行えば、将来的にこの道路は4m幅の道路になる、ということです。

とは言え、4m幅の道路は、車の離合がしづらい為、不便さはある程度残ります。

幅の広い道路(公道など)までの距離なども考え、検討されるのが良いでしょう。

最後に

お疲れ様でした。

不動産業者が特に気を遣って調べる項目の一つが、道路です。

例えば、1項1号道路の定義は、

道路法にいう道路(国道や県道、市道などの公道のこと)で、幅員が4m以上ある道路

ですが、いくら土地に接している部分が4m幅以上であっても、大きな道に出るまでの間の一部が4mを切っていたら、その道路は一項一号道路とは見なされません

一項一号道路ではないので、道路位置指定を受けるか(それぞれの特定行政庁にて)、なんらか他の方法を探るかなどの手立てが必要となります。

当然、工事費が必要になるかもしれませんし、それだけ時間もかかり銀行審査にも影響してしまいます。

もし、不動産業者から誤った説明を受け、そのまま建築確認の申請を出してそれが発覚した場合は、責任問題にもなりかねませんので、注意が必要なのです。

たかが道路ですが、道路の解説だけで一冊の分厚い本があるぐらい、奥の深いものです。

不動産に関係するようなものだけ取り上げて、今後もまたご紹介していこうと思ってます。

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
arrow_upward