2020-07-11
「絵に描いた」政策
進むスマートシティー化
今日、宗像市〜福津市は、久しぶりに雨の少ない一日となりそうです。
雨とウイルスを、ここまで警戒する日が来るとは、ちょっと前まで想像もできませんでしたが、外ではマスクをすることが日常のようになって来ました。
世界的にメディアが一斉に同じことを報道し、同じように「マスク」や「ソーシャルディスタンス」、「Stay Home」という、同じキーワードをソフト・ハード両面から人々に推し進める文脈を見ていると、やはり間違い無いのは、
スマートシティー化を勧めている
のではないでしょうか。
スマートシティーとは、
都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区
(国土交通省)
のことです。他にも定義は色々あるのですが、共通しているのは、
「各種データやICT技術を用いた、持続可能な都市づくり」
という点です。
ちなみにICTとは、
通信技術を使って、人と人、人とインターネットが繋がる技術。
メール、チャット、SNSの活用、通信販売、ネット検索など。
です。
今まさにそれらがこれまで以上にフル活用され、オンライン〇〇などが推し進めらえております。
それが、「誰か」の陰謀か、自然現象が引き起こした「自然の法則」なのかは分かりませんが、現実に起こっている問題として、
◆都市部への一極集中
・住みづらさ
・犯罪の増加
・大気汚染
◆人口減(日本の場合)
・労働力不足
・経済成長の鈍化
止めようにも止められない、この2つに関して「スマートシティー化」に大きな期待が寄せられていることは、間違いなさそうです。
近年の日本パターン
この「スマートシティー」構想、実は昨年6月、「統合イノベーション戦略2019」という形で、その課題や取り組みについて閣議決定しております。
大きな柱は、
スマートシティ推進体制の決定
データ利活用型スマートシティ推進事業の支援
スマートシティ官民連携プラットフォームの発足
の3つです。
これらについて、政府と各省庁、自治体が連携して、AIやIOTの技術を使い進めていこうというものです。
何か「新型コロナ」の到来を予言してたかのような「読みの鋭さ」でございますが、このような「技術革新を民間に落とし込む政策の推進」は、一定の効果はあると思います。
ただ、政官財の癒着や金が優先され、公の利益を後回しにするようなことをしていると、絵に描いた餅のようになるでしょうね。
「接触確認アプリ」の失敗
人は経済合理的な行動ばかりをするものではなりません。
例えば、不要な高いものをつい買ってしまったり、「読まない本や続かないダイエット器具」を買って満足したり。
厚生労働省の「新型コロナウイルス接触確認アプリ」、感染している人の登録が3人だそうです。
数日前でしたので、今は5人ぐらいにはなってるかもしれませんが。
このアプリのニュースを見た瞬間から、
誰がわざわざ自分の感染を公表するんだろう
と思ってましたが、やはりそうでしたね。
理想を言えば、今日、何人と接触したかが分かれば、予防の自覚や行動の抑制ができ、感染拡大予防に効果がある、ということでしょうが、その前提が、
感染した人が登録しなければ機能しない
ことでしょう。
誰が発明したものか分かりませんが(確かどこかのアプリ開発者だった気が)、それを国が買い、大手が間に入ってアプリ化し、税金や「クニノシャッキン」が相当使われたのでしょう。
ただこれも、時間をかけて万が一にも登録者数が実際の数の8割程度まで増えるようなことがあれば、多少の効果は見込まれるかもしれません。
スマホの「ながら運転」取り締まりでも
私は近年、道路交通法の世紀の大失敗は、「スマホの取り締まり」だと思ってます。
正確に言うと、それを「取り締まる方法」の方ですが、なぜかというと「取り締まること自体が目的化してしまってるから」です。
携帯電話を禁止されて、イヤホンが売れただけです。
イヤホンは両耳つけることは禁止されてますが、警察が外から見て、両耳か片耳かなんて分かりません。
また、「2秒以上触ってはダメ」というのもありますが、誰が2秒測るのでしょう。
それでも「携帯電話使用中の事故が多い」という理由があったから、「それを禁止しよう」という目的ばかりが先行して、肝心の「事故を減らす」という目的が達成されてません。
警視庁
ただ「通話中の事故」は減っています。
また、何もやらなければ、もっと事故件数が増えていたでしょう。
罰則も今月から強化され、「自ら自制する意識」が高まれば、現実減っていくと思います。
極端な話ですが、飲酒運転の罰則と同じで、人は「罰則で強制されるまで好き放題動く」ものなのです。
理想だけを掲げてそれが目的化してしまうと、絵に描いた餅になってしまいます。
政府広報オンライン
一貫性を持たせることの意味
注意喚起してもそれほど効果はなく、結局は「強制」されなければ変化が起こらない、というのは、大衆心理の悲しいところではありますが、「スマートシティ構想」も、「新型コロナ」と「自然災害」という「2つの強制力」により強引に前に進む可能性があります。
以前の記事で、アフターコロナでの地方分散についても軽く取り上げてますが、地方へ分散させたければ、強制力しかありません。
例えば、
大企業の工場を海外から引き上げさせ、強引に日本全国の田舎へ移転させる
とか、
住民税や法人所得税に差を付ける
などです。
放っておけば、今のように、
中途半端に田舎に人が散らばりつつも、都心部への一極集中が進む
その結果、
スマートシティ化がなかなか進まない
ことにもなりかねません。
「絵に描いた政策」には一貫性がないといけませんね。何事においても。