2020-06-15

金利の変動も見方を変えれば

昨夜は寝苦しいこともなく、爽やかな朝となりました。

本日の宗像市の天気は、晴れ。

明日は晴れのち曇りで、今週は18日の木曜日〜翌日の朝にかけて、天気が崩れるようです。

週末は、北寄りの風が吹くため気温は上がりにくく、爽やかな青空が広がりそうです。

さて、7月の住宅ローン金利について。

特にこれといって金利が上昇する要因もないので、大幅な変動はないのですが、大方の見方では

微妙に上昇するもののの、ほぼ横ばい、

となりそうです。

そもそも現在のグローバルな資本主義経済下では、日本のように長いこと総需要の不足に陥ってる国で、大きく金利が上昇することは、なかなか考えられません。

そもそも資本主義経済自体、「金利が付く」ことで成り立つ仕組みです。

誰かが誰かにお金を貸し、借りた人はそれに利子をつけて借りた人に返す。

利子がつくということは、元々生産したものの価値が、市場で膨らんでることが前提ですので、言い方を変えれば

資本主義経済とは膨らみ続けなければ止まってしまう

という仕組みなのです。

分かりやすい例でいうと、

100円借りてきてその100円で作ったものが100円でした売れなければ、その人は餓死します。

実は、今の日本はこの状態なのです。利子をつけて借りた人に返すことができない状態。まさにゼロ金利です。

ではなぜ成り立っているかというと、

日銀(世界中の銀行)が大量にお金を刷ることで、無理やりバブル(金利上昇)を作り出してるから

です。

民間銀行の金利というのは、日本では「新発10年物国債(=長期国債)」を主な指標として決められているのですが、それが2016年には一時、マイナス金利にまで落ちこみました。

その後、「長短金利操作付量的・質的金融緩和」という長たらしい名前の金融緩和で、短期金利も長期金利も一応、一定の数値に落ち着くようにコントロールはされてますが、ちょうど1年前、またマイナスに突っ込んでしまいました。

この「長期金利」と、住宅ローンの金利は当然ですが、密接な関係があります。

それは、我々が預けたお金を使い、民間銀行が国債を運用しているからです。

住宅ローンなど、銀行が民間人へ貸し出す際の金利は、銀行が国債で運用する金利より「やや高い」のです。(低ければ、国債で運用した方が良い、ということになりますので)

貸出金利 > 国債の金利

つまり、住宅ローンの先読みは、この「長期金利」の先読みということになります。

長期金利は、

10年先まで経済はどうなっているだろう

ということに影響しますので、将来不安が高まれば、

株売って国債買っておこう

ということになり、国債の価格は高騰。金利は下がります。住宅ローンの金利も下がります。

逆に、

将来に向かって経済は成長し続けるだろう

という見込みが立てば、

国債を売って株を買っておこう

とうことになり、国債の価格は下落。金利は上がります。住宅ローンの金利は上がります。

資本主義経済は、経済成長が前提となっているものなので、経済のパイが膨らみ続けないければなりません。

日本のように少子高齢化が進む国、人口増加が全く見込まれない国では、全体のパイが膨らみづらくなってます。

ただ、先ほども申しました通り、

経済が成長していってれば、みんな投資を増やすので、国債の金利は自ずと上がる

のです。

その時はモノ・サービスの需要が増してるので物価も上がり(消費者物価指数)、資産は目減りします。

資産は目減りしていても、生産性の向上により資産自体のパイが膨らんでいれば問題ありません。

逆に、

経済成長が鈍化か低迷すれば、みんなは投資を渋るので、国債の金利は下がります。

下がり続けてマイナスまで落ち込んだため、その国債を日銀が必死で買い支えてます。

企業や民間人が投資(お金を借りる行為)をしないと、民間銀行は国債による運用益しかなくなるので、その国債がマイナスになってしまうと、潰れます。実際は保管預金制度というものがありまして、日銀当座預金に預けているだけで1%の金利が付くのですが、それはあまり世の中にバレちゃいけないので、一応、

基本は民間(企業)への貸し出し、それが無ければ国債で運用している

ということにしているのですね。

ではどこまで日銀が国債を買い支えられるか、という点ですが、答えは

円の信頼が一定程度ある限り

です。円の信頼とは「国債の需要」のことですが、一定程度とは「国債の需要」がある程度(下がる)まで、ということです。

金利でいうと、ある程度上がるまで。

その「ある程度」は、「消費者物価の前年比上昇率=インフレ率2%」としています。(→日本銀行HP

ここが分かりづらいのですが、要は、世界に向けてお客さんがいる日銀としては、「無限にお金を刷れるよ」という態度は見せたくないのですね。

円の信認が落ちますので。

あくまでも、

日本は自立していて、歳入の範囲内でやりくりしていけてる国だから、円を信頼してくれて大丈夫ですよ

としたいわけです。

その限度が、インフレ率で2%ということ。

必要以上にお金を刷り過ぎてしまうと、当然物価(インフレ率)は上がります。

相対的には、円の価値が下がってる(国債の価格も下がる)ことを意味しますので、金利は上昇、住宅ローンも上昇、ということになるのです。

新型コロナの影響で、住宅ローンの借り換えも一部で騒がれてはおりますが、普通、経済危機や不安があると、国債の買いが集中し金利は下がるのですが、なぜか少し上昇傾向です。

 【5月25日前後の国債金利と本日の国債金利の比較】
◉1年  : -0.18% → -0.17% (+0.01%上昇)
◉10年 :  0.01% →  0.02% (+0.01%上昇)
◉20年 :  0.35% →  0.38% (+0.03%上昇)
◉30年 :  0.47% →  0.52% (+0.05%上昇)
                                                                    
<日本住宅ローンプランニング編集部より抜粋>

先日解説した「フラット35」の例で、仮に3000万円を35年で返済とした時に、

0.1%変わると、毎月の返済は約1400円変わります。

たかが1400円ですが、年間では16,800円。

自動車の、一ヶ月の平均走行距離は約600㎞が6割を占める分布ですので、

平均燃費を1ℓあたり12㎞とした場合、

一ヶ月の燃費は約6,000円(1ℓ=120円の場合)

1400円下がれば、毎月の燃費は4,600円。

走行距離は変わらないとすれば、リッター換算で、

1ℓ=92円(1ℓ=120円の場合)

1ℓ=72円(1ℓ=100円の場合)

0.1%の変動は、見方を変えればこれほど大きいのです。

この先、読みづらい展開ではありますが、是非長期金利の動向を伺いつつ、住宅ローンの借り換えなども頭の片隅に入れておくと良いかもしれません

❇︎本記事は、個人的な読みや主観も入ってますので、共感いただける部分のみとして、どうか「参考程度」でお願いします。

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