2020-06-02

見所満載の日知屋城跡

実際の虎口のあった場所

当時の石段だそうです

亀を拝みつつ先に進んで行くと、この場所が日知屋城跡ということもあり、至る所に城の様子を解説した案内板があります。

日知屋城跡を見て回るだけで、半日はかかりそうなほど奥が深く広いのですが、そこは我慢し、龍を求めて先へ進みますと、

鵜戸神社へ

龍宮は右へ

急勾配な石段

鵜戸神社

振り返ると

オリエンテーリングのような案内板がちょくちょく出て来ますが、それを進んで行くと、急勾配な階段が!

かなり直角に近くて、極細の石段のような階段を降りて行くと、大きな洞窟へ。

この洞窟自体が縄文時代から信仰されて来た神社で、石を持ち帰ることも、石を積み重ねることもできない、とても神秘的な場所です。

ん!?「積み重ねることも」!?

誰が積み重ねるのかと思いきや、なるほど、

高千穂の天岩戸神社では、「石を積み重ねると願い事が叶う」と言われてるそうで、それとごっちゃにならないために、そのような注意書きがされてるみたいです。

さて、ここから緊張の一瞬!ついに龍を拝む瞬間、「振り返る」時がやって参りました!

お賽銭を入れ手を合わせ、恐れを多くもお札(ふだ)の前まで足を踏み入れ、振り返るとそこに!!

角度間違えてます

なんじゃこりゃ!?

龍が太ったのかと思いましたが、完全に角度を間違えてますねm(._.)m

というわけで、角度変えて何度か写真を撮っていると、それが姿を現しました。

龍が

完全に、龍です。見れば見るほど龍です。

しかも、天に向かって昇っているように見えてきます。

5000年前から信仰されてきた場所らしく、隙間から出てくる光の神々しいこと。

波打ち際が数十メートル先にあり、波の音と光と湿った空気がとても幻想的で、歴史を感じながらしばらく見入ってしまいました。

いよいよ大御神社へ

日知屋城跡や亀、鵜戸神社でもお腹いっぱいになりそうだったのですが、せっかく来たからには大御神社の本殿へ!

こちらでもお参りをして、大御神社の最大の見所の一つ、「さざれ石」と「神座」の方へ。

日本の国家の歌詞に出てくる「さざれ石」。

「さざれ石の巌となりて」

子供の頃はキン肉マンのイワオが頭に浮かんで仕方がなかったのですが。。

意味がよく分からないまま歌っていたのですが、とても深い意味のある歌詞なんですね。

さざれ石というのは、元々の意味は、ただの小さな石のこと。

それが大きな塊(巌)となり苔が生えるようになるまでの、非常に長い歳月を表す比喩表現として用いられているのだそうです。

もう少し詳しく解説しますと、

長い年月をかけて、小石の隙間を炭酸カルシウム(CaCO3)や水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊(巌)に変化した「石灰質角礫岩」

のことを指して、「さざれ石」と呼ぶこともあるようです。

それでは写真を。

さざれ石

パッと見、コンクリートに小石が混じっただけのように見えますが、実はここ、平成15年の大発見、日本最大級のさざれ石が見つかった場所なんです。

よくよく見ると広いのなんの、あたり一面の岩に、小石が混じってます。

この辺り、元々は奥にも見えてますが一帯が雑木林だったらしく、それを境内拡張のために伐採したら出て来てしまったのだそうです。

さらに、同時に発見されたのがこちら

神座(かみくら)

天孫降臨(天界から人界へ降り立つこと)として知られる天照大御神の子孫にあたる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が当地を遊幸されたとき、大きな岩に立たれ絶景の大海原を眺望された(大御神社HPより)

もはや、神話の世界の巨石、神座(かみくら)がこちらと言われてます。

ここから海を眺めたそうですが、それがこちら。

神座付近からの海の眺め

左のコンクリートの柵は、昔は無かったはずですので、それを踏まえると頷けますね。

また、海沿いに見えるゴツゴツした岩、これ実は、沖の海底火山の活動で多量の火砕流が押し寄せて堆積した塊なんです。

それが柱状節理(溶結凝灰岩)という岩で、この大御神社自体がその上に建立されているとのこと。

もうびっくりするばかりです。

堆積した火砕流の上に

何がびっくりするかというと、日本列島というのは、2000万年前から、途中、浮き沈みを繰り返しながら今の形になったそうです。

つまり、同じ場所で2000万年前から火砕流が押し寄せて堆積するということ自体が、有り得ないことなんです。

それを伝えるわかりやすい資料がなかなか見当たらなかったので、山根 一眞先生のHPより、こちらの資料をお借りしました。

第12回 発掘!「福井恐竜学」の現場より出典

宮崎県の日向市の場所を紫色の☆マークで印してますが、ご覧のように、2000万年前から変わってないんです。

他の場所は途中、移動してたり、海の中に沈んでしまったりしてますが、日向だけはずっと同じ位置。

つまり、この火砕流の堆積した岩、ガチで2000万年前のものということです。

ゾッとしますね。

そしてさらに、その押し寄せた火砕流が、「さざれ石」を飲み込み、覆いかぶさった場所の境目が、こちら。

柱状岩と礫岩の境目

これほどわかりやすく、太古の息吹を感じられる場所も、なかなか無いように思いますが、2000万年前というと ヒト科とテナガザル科が分岐した頃。

そのヒト科が、ヒト族とゴリラ族に分かれたのが1000万年前。

アウストラロピテクスが100〜200万年前。

ホモ・サピエンスが10万年前。

ちなみに、恐竜が絶滅したのが、6500万年前。

日向市の位置はずっとほぼ変わってないので、間違いなくこの場所でできたものなんです。

龍神の霊

さらにその足元にあるのがこちら「龍神の霊」。

5000年前、縄文時代の人が龍神信仰をしていたとされる古代遺跡です。

大きな丸い水溜りの中に、大きなボール状の岩が入ってるのが見えると思います。

実はこれ、この辺り一帯が平成15年に発見された後8年後の平成23年。

全く雨が降らず、この水溜りも干上がった時に掘り進めた結果、見つかったものだそうです。

少しでも雨が降れば、この穴に水が流れてくるように配置されてるそうで、当時の人々は

「龍玉を抱え守る龍神の姿に日々の安寧と守護を祈り、後々の世までも続く幸福(しあわせ)を願った」のだと言われてます。

この石も「さざれ石」の礫岩でできており、ドラゴンボールとも言われていることから、発見された当初から、ドラゴンボール神社とも言われるようになりました。

周りの渦状に刻まれた岩が龍を表現しているそうで、窪みと水は胎盤と羊水、中の玉が龍の霊(玉)。

つまり、龍が生まれてくる様子を表現したのが、このドラゴンボールというわけです。

5000年前の龍神信仰の証とも言われる「龍神の霊」。

奥が深すぎです。

お洒落なカフェで休憩を♫

たまたま休みでした

いかがでしたでしょうか。また長くなってしまいましたが、実はこれでもだいぶ端折ってます。

2000文字ぐらいでまとめようと思ってたのですが、あまりにも見所が多すぎて無理でした。(4000文字超)

神が降り立ったこの地で歴史と神話を感じたら、その横にとてもお洒落なカフェがありますので、是非立ち寄ってみてください。

おすすめはケーキ類やお菓子系ですが、賞なども沢山取ってらっしゃるそうなので、紅茶やコーヒー類などでひとまず一服。

店のご主人は地元の方で、夫婦でやられてるお店なので、とてもアットホームでいいですよ♪( ´▽`)

ただ、気をつけなければならないのは、長話しでつい時間を忘れてしまうこと。

居心地が良すぎるのか、ここにも神が降臨しているのか、なぜかいつも時間を忘れてずっと長時間いてしまいますm(__)m

【Green Grass】

住所 〒883-0003 宮崎県日向市伊勢ケ浜186-25
TEL 0982-95-0194
FAX 0982-95-0194

休業日 第2水曜日・毎週木曜日が定休日です。
駐車場 大御神社様の駐車場も利用可となっております。

最後に

わが町の「宗像大社」は、沖津宮以外は何度も行っておりますので、あの神がかった雰囲気というか、時間がそこだけ止まったような空気感に何度も癒やされてきましたが、日向市はなかなかタイミングもなく、今回、やっと行くことができました。

大御神社を拝んで終わり、と思いきや、日知屋城跡や亀、鵜戸神社に大御神社、龍神の霊に神座と、見所満載で。

日向市というとこの周辺、高千穂町にある「天岩戸神社」がとても有名ですが、こちらも同じく御祭神は天照大御神。

この辺りの地域はやはり何かありそうですね。というより、なにかあったんですね。

日本の成り立ちの中で、かなり重要な場所であったことは間違い無いでしょう。

宗像大社が「裏伊勢」

大御神社は「日向のお伊勢さま」

どちらも「伊勢神宮」と関係がありそうですが、他にも全国に「伊勢」がつく神社は沢山あります。

歴史で見たときも、建立時期が定かでない神社も、日本にはまだまだ存在します。

ただ、日本の国歌に二番があるのをご存知でしょうか?

『古今和歌集』の「読人知らず」の和歌を初出とされてますが、元々は二番の方が採用されていたそうです。

歌詞は、

君が代は

千尋の底の

さざれ石の鵜のいる磯と

現はるるまで

限りなく 御世の栄えを

祝ぎたてまつる

この歌詞、日向の、まさに大御神社の場所を連想してしまいませんか。

そして、ご存知こちらの歌詞、

「君が代」

君が代は

千代に八千代に

さざれ石の巌となりて 

苔のむすまで

小さな石が混じり混じって、長い年月をかけて大きな岩(塊)となりその上に美しい苔が一面に生えるようになるまで、いつまでもいつまでも栄えますように

という意味です。

欧米では石は削られて小さくなっていく、という考え方で、日本で石が寄り集まって大きくなっている、と考えられるそうで、これは日本独特の考え方。

この「小さな石」とは、実は「人」のことなんです。

元々は宴会の席などで長寿を願う歌だったのですが、どんな小さな存在でも、それらが集まって塊となれば、岩のように大きく強くなる。

不要な人なんていないんだよ、と。

天皇陛下を親とするこの世の中で、たくさんの人が集まってやがて大きな力となり、永遠に長く、平和で豊かに人々が栄えますように

という意味が込められてるんですね。

なんという美しい歌、そしてそれを現実に象徴したかのような大御神社。

九州随一のパワースポットとも言われているこちらの場所で、是非皆様も神様と太古のエネルギー、地球の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

そろそろ6000文字に近くなって参りましたので、この辺で。

【大御神社】

〒883-0003  宮崎県日向市本町10番5号
TEL 0982-52-3406
日向市駅から車で10分
駐車場完備 無料

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