2020-04-21
今年の春以降の不動産市場はどうなるのか、色々な予測が出てますので、今日はこちらの記事からご紹介します。
【3密で「タワマン」の価格が暴落? 「コロナ後」で一変するマンション市場】
「コロナ後」には生活の基盤である衣食住の「住」にあたる不動産に対する意識も大きく変わるのは間違いない。特に顕著となるのは、高値を続ける首都圏のマンション市場へのダメージだろう。プチバブルともいうべきマンション価格は下落基調となり、マンションあるいは「タワマン」という住形態そのものへの危機感が強まる可能性が高い。
東京都心部や近畿の一部では、明らかなバブルでした。
これは不動産業に携わってる方はもちろん、そうでない方でも気づいてた方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
現象としては、
「住むために買ってない」
「外国人投資家の買い主が多い」
「内覧無しで売れて行く」
このような噂やお話しが出てたので、私共は間違いなくバブルであると。
バブルとは、定義は色々あるのでしょうが、一般的には「不動産が投機の対象となり価格が実体以上に膨らむ現象」とでも言えばよろしいでしょうか。
つまり、値上がり益を目的とした金融商品化、という言い方もできると思います。
バブルの起源は、17世紀、オランダで起こった、チューリップバブルと言われてます。
この時はハンパないです。
チューリップの球根の価格が上がるに上がり、ピーク時は現在の価格で500万円まで高騰。当時のオランダの年収の30〜50年分まで高騰したという記録まであります。
「来年の春に生産される球根」を、春になる前に先にその権利を買うという、今でいう先物取引のようなことも行われてたようで(先物取引の起源はもっと前、16世紀のベルギーと言われてます)、そのバブルが1637年、突然はじけたのです。
ここまで価格が高騰した原因は、資産を担保に借り入れたお金、つまり借金して買って転売する、という行為が繰り返された為です。
バブルがはじけた後は、借金だけが残りますので、その負債を負った人は、自分の稼ぎをモノやサービスの購入に当てるのではなく、「借金返済」に使います。
つまりGDP(生産の合計=所得の合計=支出の合計)が伸び悩む、その後のオランダは長い不況に見舞われることになりました。
これをきっかけに、金融の中心がアムステルダムからロンドンに移り変わりを始めたとも言われてるほどです。
さて、話しは戻りまして都心のマンションについて。
その価格(新築)は、リーマンショック後から3倍程度まで膨らみました。
まだ3倍程度、なのでバブルというかプチバブルぐらいですが、今回のコロナ騒動がどう影響するでしょうか。
成約率自体は3月時点で70%前後と、前年同月比とそう変わらないですが、4月以降の落ち込みは確実と言われてます。
また、記事にもあるように、エレベーター内が密室であることで、そこで感染が発覚したような場合、そのマンション全体の価格がまるで「事故物件」かのような値下がりをするリスクがあります。
そのリスクを考えると、明らかに値下げ圧力でしょう。
低金利は今のところ変わらない予測ですが、黒田バズーカで潤沢になった資金が、オリンピック特需にもあやかって流出し膨らんだ新築マンションバブルは、3月時点で前年同月比11.5%減。
これが、4月以降、オリンピックの延期(または中止の可能性も)で見通し不安定な中、足元の雇用もおぼつかないような状況が続くと、一斉に投げ売りが始まり大暴落、というシナリオを見え隠れします。
私の予想では、コロナ騒動自体が、「治療薬の開発」か「ほとんどの人間が抗体を持つ」までは収束しないという不確定要素の面が大きいので、しばらくは株か国債にマネーが流れ続けるのでは、と思ってます。
本来は、それで金利が下がり→マンション購入とサイクルしていく(バブルが膨らむ)のですが、そのマンション購入がリスクオフで止まってしまうと、4月の新築マンション販売戸数は3割減ぐらい、と見ています。
その流れは5月以降も続くので、中古の市場はそこそこ安定、賃貸は地方へ分散、新築戸建は地方でも2〜3割減と見ています。あくまでも予測ですが。
中古の市場がなぜ安定かというと、需要と供給のバランスで成り立つからです。
新築の場合は原価が決まってしまってますが、中古の場合は、一応はありますが、基本的には売り手の「言い値」になります。その点で、景気後退期でも比較的柔軟性があるのです。
指標としては「都心の新築」と「一般的な中古物件」では全く性質が異なりますが、金利には左右されないところでの市場というものがありますので、注視しておきましょう。