2020-04-09
住宅ローンの基礎知識
賃貸が良いか、持ち家が良いか、永遠のテーマのようではありますが、色々なサイトやYouTubeなで解説が上がっておりますが、結局のところ、答えが無い。。
それもそのはずです。これは価値観の違いなので。
人それぞれ価値観が違うので、「どちらが良いか悪いか」ではなく、「どちらが自分に合ってるか」で判断しなくてはなりません。
本日は、普段はあまり馴染みの薄い、住宅ローンについて、基礎的な部分を解説いたします。
これを読んで全体像を掴んでおくと、どのような場所で、どのような家に住むことができるか、大方見当がついてくると思います。
また、毎月の返済についても把握できれば、賃貸と持ち家、どちらが自分に合ってるかの判断材料の一つにもなるかと思います。
ざっくりとした説明ではありますが、メリットやデメリットも分かり易く書いておりますので、ぜひご覧ください。
資金計画を立てる
資金計画を立てる際に重要なことは、手持ち資金がいくらあるか、です。
その手持ち資金、つまり自己資金から逆算すれば、物件選びも的が絞れてきますし、毎月の返済額もそれに応じて決まってきます。
また住宅ローン減税などの措置や、物件によっては登録免許税の控除なども受けることができますので、まずは最初の一歩、自己資金から考えてみます。
一般的に、頭金としては物件価格の2割程度、物件価格以外の諸経費は、おおよそ1割程度見ておいた方が良いので、合計で3割程度、例えば2000万円であれば、600万円あると安心です。
★自己資金は頭金+諸経費=物件価格の3割 あれば安心
最近では諸費用ローンなるものもあり、頭金ゼロでも組める住宅ローンなどもありますが、こういうご時世でもあるので、あまりお勧めはできません。
やはり、貯蓄額から頭金として使う額を決め、おおよその自己資金から逆算して物件選びをするのがベターと言えそうです。
資金計画のシミュレーションは、スマートフォンのアプリなどでもフリーでたくさん転がってますが、一番確実なのは銀行へ相談してみること、おおよその目安はシミュレーションのサイト(資金計画シミュレーションなど)が便利です。
住宅ローンの種類
住宅ローンの貸付金利には「変動金利型」と「固定金利型」があります。
変動をご利用される方が若干多い傾向にはありますが、その時の経済の状況や見通し、また個々人のライフスタイルにもよりますので、一概にどちらがいい、とは言えません。
最近では日銀のゼロ金利政策もあり、固定型を選ぶ方も増えてきてる傾向にあるようです。
それぞれのメリット、デメリットを簡単にご紹介すると、
◆変動金利型ローン
その時々の金利動向に応じて変動するため、それに応じ、返済額も変わります。最近は低金利傾向が続いてますので、ネット銀行などでは0.3 %台なども出てきてます。
最初は変動でスタートし、後から固定に変更することも可能です。
また、多くの金融機関では、変動金利型の返済額を5年間一定にする「5年ルール」と言われるものがあります。
メリット:金利が安いので毎月の支払額を抑えられる
デメリット:金利の上昇時は支払額が増える
◆固定金利型ローン
契約時時点の金利で、借入期間中の金利が固定されるタイプです。当初の金利が完済まで変わらない全期間固定のものと、一定期間だけ固定(10年や20年など)するものがあります。
変動金利より利率は高く、見直しもできません。
メリット:金利上昇時も、支払額は一定
デメリット:低金利が続いても、支払額は減らない
現在の金利は!?
2020年4月の住宅ローン(画像クリックで最新情報!)
今月もやはり「auじぶん銀行」が強いようです。
親会社が日本最大のメガバンク「三菱UFJ銀行」と、日本最大規模の通信会社「KDDI」。
本体の三菱UFJ銀行自体が低いのですが、そのネット銀行ということで、さらに低金利化されてます。
特徴はガン保障特約と全疾病保障がどちらも無料で付いてくる点でしょう。
また、給料振込みなどの条件もないことや、郵送不要、全てネットで完結できるという点も人気の理由のようです。
続いての人気商品は「住信SBIネット銀行」のネット専用住宅ローン。
ここの特徴は金利の低さもさることながら、全疾病保障が無料で付いてくるのが魅力です。「8大疾病」と「全疾病」で比較されることがよくありますが、割合的には両方で半分ずつ。つまり「全疾病保障」がつけば、ほぼ全部カバーできます。
フラット35も取り扱いがあり、こちらも手数料合わせても低金利。
最近はこのように「親会社が銀行で、子会社のネット銀行で住宅ローン」というパターンが増えてきました。
低金利化が進むのは嬉しいことですが、なかなか情勢も読めない時期でもありますので、このところは「変動金利がやや優勢」といったところでしょうか。
変動金利と固定金利の割合
返済方法の種類① 〜元金均等と元利均等〜
返済方法の種類は「元利金等返済」と「元金均等返済」の2つ。
民間の金融機関では、一般的には「元利均等返済」が多いですが、どのような計画を立てるかで異なってきます。
◆元利均等返済
毎回の返済額が一定となるタイプです。返済額には元金と利息が含まれてますが、その比率が返済期間によって変わってきます。
返済当初は利息部分の支払いが大きく、返済が進むと元金部分が大きくなってきます。
メリット:月々の返済額が一定
デメリット:総支払額が大きくなる
◆元金均等返済
毎回の返済額のうち、元金部分が一定となるタイプです。利息部分は、その月ごとに計算していきますので、当初は負担が大きく、返済が進むと減っていきます。
そのため、当初の返済額が大きく、返済が進むにつれ、返済額そのものが少なくなっていきます。
メリット:総支払額が少なくなる
デメリット:毎月の支払額が異なるため返済計画が立てにくくなる
元利均等返済と元金均等返済
返済方法の種類② 〜繰上げ返済〜
返済方法の種類のもう一つは、繰上げ返済です。
この返済は、元金を直接減らしますので、手元に資金がある場合は、全額もしくは一部を繰上げて返済を行えば、
返済する期間を減らす(返済額は変わらない)
か、
毎月の返済額を減らす(返済期間は変わらない)
ことが可能になります。
もちろん、その分利息の支払額も減らすことができますので、できるだけ早い時期に行う方がメリットが大きくなります。
<手順>
●住宅金融支援機構(フラット35)の場合
◇全額繰上げ返済
①1ヶ月前までに、金融機関に申し出る
②手数料はかからない
◇一部繰上げ返済
①1ヶ月前までに、金融機関に申し出る
②返済できる額は100万円以上(インターネットの場合は10万円以上)
③手数料はかからない
④月々の返済日に返済すること
●一部繰上げ返済の場合
◇期間短縮型
毎月の返済額はそのままで、返済する期間を減らすタイプ
総返済額も減る
◇返済額軽減型
返済する期間はそのままだが、毎月の返済額が減るタイプ
総返済額も減る
ただ、当たり前ですが、手持ち資金が減りすぎないよう、くれぐれも気をつけて返済しなければなりません。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れて住宅を取得した方を対象に、住宅ローンの年末残高に応じて、住宅取得者の所得税額から一定額を控除する、減税措置のことです。
所得税から控除しきれなかった分は、個人住民税から控除されます。
例えばサラリーマンの方の場合、毎月引かれる所得税の額が小さくなる分、手取りが増えるというわけです。
控除される期間は10年間。
毎年末の住宅ローンの残高の1%が所得税の額から控除されるので、例えば残が2500万円あれば、25万円が所得税から控除されます。
原則、確定申告書の提出が必要ですが、給与所得者であれば、適用を受ける最初の年だけ確定申告書を提出すれば、以後は年末調整で控除されます。
【適用要件】
・期間が10年以上の住宅ローン(金融機関からの)であること
・控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
・住宅の床面積が50㎡以上で1/2以上を居宅として使用していること
・住宅を取得した日から6ヶ月以内に居住すること
・中古住宅の場合は耐震性能や耐火基準を有していること、など
当初は居住用で購入したものを、途中で賃貸にした場合や、転勤で引っ越した場合などは、適用がありません。居住を再び再開した場合は、適用も再開されます。
また、「住宅取得等資金贈与の特例」との併用もできますが、あくまでも住宅購入のためのローンに対する控除なので、購入価格から贈与分は最初に差し引かれ、残った金額に対してのローン残高で計算されます。
この場合、「贈与税の110万円基礎控除」を使って、住宅ローンの対象になる部分の額をなるだけ大きくすることで、少しではありますが控除される金額が大きくなります。
この辺り、詳しくは税理士の先生などに相談してみてください。
最後に
最近は情報過多で、「便利になったはずが逆に忙しくなって不便になった」時代です。
毎日、寝ても覚めても「お得な〇〇クーポン!」「〇〇%還元!」の記事が目に飛び込んできます。
この住宅ローンも同じで、AIが色々なところに導入されたおかげで、1~2度、住宅ローンについて検索をかけただけなのに、関係のないサイトにも住宅ローンの広告が割り込んできます。
全ての通知をOFFにしたいところですが、次から次へと広告サイトが作られて、そこから飛んできますので、それもキリがないですね。
人の脳は新しい情報(身になる)が入ると、ドーパミンやセロトニンなどが分泌され、ちょっとして覚醒状態、気持ちの良い感覚になるそうです。逆に出す側は、それを知ってて細かな情報をたくさん出してるわけです。(詳しくはこちらで解説してます→「スマホを触る時間」)
住宅ローンは、金融機関にとっては生命線でもある主力商品の一つ。
一度検索をかければ、雨あられのような広告が降り注いでくるかもしれません。
そんな時、判断を誤らないよう気を付けなければなりません。
例えば住宅ローンの金利一つ取っても、
金利は安いが、団信(団体信用生命保険)は別で加入しなければならない
とか
金利は安いが、保証料が高い
など、ここでも色々カラクリが用意されてます。
全体像を知って、自分のライフスタイルに合った基準で優先順位をつけて判断すること
が大事です。
少々長くなりましたが、こちらの記事で全体像はざっくりわかると思いますので、ご参考にしていただければと思います。