2020-03-30
連日この話題で嫌になりますが、政府の発表がショボいのと突っ込みどころがたくさんあるので、お伝えします。
まず、この記事から
【首相「長期戦の覚悟を」経済対策、リーマン上回る規模へ】
緊急経済対策については、平成以降で最も規模が大きかったリーマン・ショック後の事業規模56・8兆円(うち国費15・4兆円)を上回る規模で新年度補正予算案を編成する考えを表明した。首相は「今後10日程度のうちに速やかにとりまとめ、国会に提出したい」とも表明。現金給付などを盛り込む考えも示した。(朝日新聞社)
「事業規模」と誤魔化してます。国費15.4兆円は一般会計と特別会計の合計なので、実際にはこちらでしょうが、これも税金と国債が使われるので、真水の部分は定かではない、というのが実態です。
リーマンショック時で15兆円ぐらいだったので、おそらくそれを少し上回る程度と予想されます。
ちなみにこの真水とは、「実際に経済生産(GDP)を押し上げる効果のある部分の金額」のことで、例としては減税とか公共投資です。企業に融資するお金は入りませんし、 住宅公庫も入りません。もちろん株式の買い上げもこれには含まれません。
さらに、国費以外の部分につきましても、あくまでも「規模」なので、企業に〇〇円融資すれば企業も〇〇円、投資や支出に使いその効果は〇〇円ぐらいあるだろうという、政策によって動くお金の推測値全体のことです。実際にどれだけの経済効果があるかは関係ありません。
また、今朝の報道によると、「現金給付」の部分についても、対象は「所得の少ない世帯」となってます。その「所得の水準」は誰がどう決めるのでしょうか。毎年の所得なんて、激しく乱高下する個人事業主の方も多いですし、たまたま昨年がそこそこ良かったのに、今年まったく所得の無い方は、どうするのでしょう。しかも現金給付となると、1〜2ヶ月かかります。
(ちなみにアメリカは1人当たり1200ドルの現金を配る方針を打ち出してます)
結局、これも前の記事で書きましたが、政府小切手による全員給付が早くて平等で分かりやすいんです。
何故か〇〇券にこだわる日本
それにしても「和牛券」には驚きました。あれは笑いを取って国民を安心させようとしたのでしょうか。そのあと、「お魚券」も出てきましたしね。
さらにそのあと、「国民から不満が出ているのは分かっている、他の食材についても検討していきたい」と。これでさすがの私も吹きました。
いったいどこを見て政治を行ってるのでしょうか。
斜め上どころか、おそらくグランドスラムへの出場でも目指してたのでしょう。
また、麻生さんも現金給付より商品券をやたらを主張しています。これはもちろん財務省ならではの昔からの手法ですが、もちろん商品券でも効果が無いことは無いのですが、今求められる対策は、早いこと、平等であること、分かりやすいことです。
それなら、真っ先に思いつくのが消費税ゼロなのです。
絶対に財務省がやりたがりません。何故なんでしょうね。これについては色々調べたのですが、
①まずはPB黒字化目標を破棄しなければなりません。法律で決められてるので法律の改正が先になります。こんな非常時にPBなどと言ってる場合ではないのですがね。
②財務省内では、消費税を上げた人が出世する、またはその部下が次のポストや天下り先を約束される、という構図があるようです。
③消費税を今減税もしくはゼロにすると、経済が上向いてしまうので、これまでやってきたことが間違いだったことがバレる
④輸出をメインするような大企業が脱税(節税)するため、安定的に税収を確保したい
首相は先日の会見でも「全世帯型社会保障のため〜」などと言っておりましたが、これも間違ってます。社会保障費は消費税ではなく社会保険料でまかなうものです。足りなければ赤字国債を発行して。(「それをやりすぎるとハイパーインフレーションが起こる」はもう流行らないレトリックなので、ここでは説明を省略させていただきます→詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ)
財務省は国の収入と支出のバランスをとって円の価値を守らなければなりませんから、ある程度はそれも分かるのですが、追求しすぎて現実からかけ離れてしまった感があります。
特に今は非常事態ですので、インフレ率が2%を安定的にキープするまでは、消費税はあってならない税なのです。そのぐらいは理解できてるはずなので、何か他に目的があるのでしょうか、と疑ってしまいます。
正しい対策を早急に!
政府や官僚が正しい対策をすれば、国民を守ることはできますし、世界的な恐慌になりつつある中、最大限不安を払拭し、パニックにならないような指針を大胆に示すことが重要です。
すぐにやれる対策は、
①経済対策は真水部分はGDPの10%程度
②現金給付の給付は政府小切手で全員給付
③商品券より消費税ゼロ
④中小零細企業への支援は貸付でなく補助金や税負担免除で
反対意見や問題点はあるでしょうが、何より現時点での一番の問題は、
やることなすこと対応が遅い
ことではないでしょうか。発表すら周りの目を気にしながら、恐る恐るやってる様子で、ほんと情けないですね。
参考までに諸外国の対応は
【アメリカ】
1兆ドルの経済対策の実施
国民への政府小切手の給付、航空業界やホテル業界への救済措置
【イギリス】
新型コロナの影響で働くことができなくなった人達に対し賃金の80%を政府が肩代わり。その上限は月に2500ポンド、日本円でおよそ32万円。
【ドイツ】
日本円で約90兆円規模の対策(GDP規模は日本の8割ほど)
【フランス】
従業員の給与を法定最低賃金の4.5倍を上限に100%補償すると発表
その他、社会保険料と各種税金の支払い猶予、
就業停止による一時的失業者への給与補償、
子どもの面倒をみるために仕事を休む親への給与補償など。
追記
今ニュースを拝見しましたが、志村けんさん、ご冥福をお祈りいたします。