2020-02-09

下水にも色々

不動産取引の際に意外と多くのトラブルの元になるのが、この「下水処理問題」です。なぜトラブルになるかと言いますと、これは簡単でして、被害にあった時の損害が大きいからです。

①違うものが埋設されていた

②破裂、破損した

③近隣に漏れた

④その他不具合が起きた

ほぼ地中のものですし、決して綺麗なものではありませんので、被害が大きくなってしまうんですね。我々業者としても、特に気をつける一つの項目であります。

さて、その前に下水の種類について簡単に説明しますと、

汚水→トイレの排水

雑排水→お風呂や洗面所、台所などの排水

雨水→雨や雪など、自然物の排水

ざっくりと、このように分けられます。

下水道とは

下水の仕組み

一般的に行政が道路に管を通してます。宗像市の場合ですと、150㎜や200㎜のものがほとんどで、新しく家を建てて利用する場合にも、受益者負担金のようなものは特にありません。使用料のみです。

この下水道管に汚水と雑排水を流し、下水処理場で処理して川に流します。

宗像市で不動産取引をしていると、もっとも多いのがこのやり方で、一般的な家庭だと月額5000円ほどです(30m3/月使用の場合)。

浄化槽とは

浄化槽の仕組み

浄化槽の仕組み

次に多いのがこちらの浄化槽。よく質問されるのが、浄化槽と汲み取りの違いですが、大きく違います。図を見ていただくと分かると思うのですが、簡単にいうと浄化槽は、微生物を使って水を綺麗にして(浄化して)川や側溝等に流します。この基準は条例で決められているものなので、かなり綺麗な水になります。もちろん、定期的な清掃、点検が必要です。

この浄化槽、合併型(トイレ+雑排水)と単独型(トイレのみ)があるのですが、衛生の面から、現在新設できるのは合併型のみとなってます。

汲み取り式とは

LIXILトイレーナR

言わずと知れたボットン便所ですね。こちらは定期的に回収をお願いしないといけません。私が幼少の頃は、まだぎりぎりバキュームカーというものが走っておりまして、こちらの車で回収して回るわけですね。

宗像市や福津市ではほぼ無くなってきてるとは思います。臭いがきついので、山間部や海沿いの、昔からある建物などでは、ほんの一部残ってることがあります。

似たようなもので簡易水洗というものがありますが、こちらは便槽との間を水で塞いでいる為、ボットン便所に比べると臭いが弱まります。

生活雑排水などはそのまま側溝等に流します。

月額の目安は!?(宗像市・福津市の場合)

下水道の場合、行政によっては受益者負担金というものが最初にかかり(数万円〜)、その後は使用量です。宗像市と福津市はこれがかかりませんので、5人家族で30m3使用したとして、月額は5千円ほど。

浄化槽の場合は少し複雑で、点検や清掃の費用に電気代(ブロアー)が別途かかります。

汲み取り式の場合は、1ヶ月に一度、4千円前後を目安に業者に汲み取りに来てもらいます。

コスト的に言えば、この3つ、どれもそこまで変わらないので、利便性を考えるとやはり下水道が一番のようです。ただ、個人の費用で下水管を引くとなると、1メートルあたり数万〜数十万円という費用がかかります(深さや場所により異なります)ので、あまり現実的ではありません。

新型コロナウイルスの勢いが増してます。中国の不衛生もこれを機に指摘されておりますが、日本では昭和60年から合併浄化槽が義務付けられ、衛生状態もかなり良くなりました。汚水のみならず雑排水についても、行動経済成長期に公害という形で社会問題化され、様々な形で法整備が進みました。

宗像市や福津市などのベッドタウンやその周囲には、まだまだ整備が行き届いてなかったり、公的資金の関係で整備できない地域などが多々あります。

不動産取引の際、売主側買主側双方が色々な点に気をつけなければなりませんが、こういう3パターンがあるという点だけでも、知っておくと良いかもしれません。

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