不動産の購入にあたり、よく聞かれることの一つとして、
「いつ頃から探し始めると良いですか！？」
というものがあります。
例えば、お子様が小学校に入るタイミングである３月頃に決済（物件の引き渡し）を終えたい場合、内覧や契約、移転登記諸々を考えるといつまでに購入物件を見つけておけば良いのか、というご質問です。
車の購入と違い、不動産は基本一点ものです。
分譲地を購入する場合でも、全部が同じ金額というわけでもないですし、それぞれ取り付け道路の位置も違ったりします。
中古住宅の場合はより顕著で、同じものに巡り合うことはまず無いと言っても良いでしょう。
そのような不確定要素の多い不動産購入は、いつ頃から取り掛かれば良いか、について説明します。
①地域によって変わる
例えば、人気の高いエリアになると、探してる人も多くなるので少々時間がかかってしまいます。宗像市の場合で言うと「日の里１丁目、２丁目」「くりえいと周辺」等、福津市では「福間南」や「福間中央」、「宮司」近辺等です。そういったところでは半年で見つけようとしてもなかなか見つからない場合が多いようです。もちろん金額とのバランスもあるので、予算との兼ね合いも大きく関係してきます。
②特殊物件はほぼ運！？
「ガレージが付いてる２世帯住宅」、「海近くで家庭菜園ができる広い土地の平家」などのような微妙な特殊物件は、宗像市や福津市であっても滅多に見かけません。条件が付けば着くほど当然数は少なくなるので、ピンポイントで探すとなると数年かかることもあります。
③優先条件を順位づけしておく
数年の時間もない場合は、条件に優先順位を付けておくと割と早く見つけることができたりもします。その際、優先順位の上位はなるだけ希少性の「薄い」ものにしましょう。例えば「海が近い」というだけで物件数は極端に少なくなります。反対に「家庭菜園ができる」ぐらいの広さの土地であれば結構あります。
この例で言うと、
１）海が近い物件を数年かけて探しつつ
２）無ければ徐々に優先順位を変えて（”広い土地”へ）
３）ラスト半年で絞り込む
このような形がベストかと思います。
④リスクヘッジをしておく
条件の妥協ができない場合は、一旦賃貸を借りておくのも一つの手です。引っ越しが厄介になるのもありますが、理想的な物件に巡り合うためには仕方がないと割り切るしかないでしょう。ただ、それも将来的には不確定要素が多いですし、学校や役所の手続きが煩雑になることもあります。
⑤契約行為から最終決済（引き渡し）までの期間を踏まえておく
一般的な不動産購入の場合、契約から引き渡しまでの期間は１ヶ月から長くても２ヶ月ほどです。契約に至るまでの間は、
１）不動産会社等に相談し、条件面や金額を見積もる
２）必要に応じ金融機関にも相談
３）契約日を決定
となります。だいたいこの期間が１ヶ月ほどは見ておくと良いので、逆算すると３ヶ月前には決めておきたいところです。ただ、引っ越し後の荷物の片付け、役所の届出、ご近所挨拶等々がありますので、それを踏まえると４ヶ月前。4月に入学となると年末年始を挟むので１２月に決めて１月に契約、２月末までに決済という流れば理想的です。
以上、①〜⑤のことをまとめると、
◆特殊性が高いほど時間がかかる
◆一般的な物件（流通性の高い物件）では１年前〜半年前までにスタートしておく
この２点が重要です。
ただ、その「特殊性」や「流通性」は、どの程度のものか分かりづらいですし、希少物件がたまたま売りに出される場合もありますので、やはりまずは不動産会社を尋ねてみるのが良いと思います。
その時注意したいのでは、
必ず２社以上訪問すること
です。何故かというと、１社だけだと不動産市場の動向や相場感が把握しづらいからです。また、不動産会社のスタッフと言っても、自分と相性が合う合わないは当然にありますし、数社行って相談しているうちに何となく現在の状況が掴めてきて、探している物件の「特殊性、希少性、流通性」などの感覚も掴めてきます。
同じことは金融機関にも言えることで、それらを同時進行でやっていくことを考えると、基本的には早く始めるに越したことはありません。
ただし、あまり早く始め過ぎて物件だけが先に見つかってしまい、銀行融資が間に合わない、なんてこともあります。
その場合、手付金を支払い、先に契約行為、ということも出来なくはないのですが、最終決済日が大幅に遅れることになるので、売主側から拒否されることも少なくありません。
融資の目処が立ったら不動産会社への訪問で大よその見当を付け、外せない優先順位から物件を絞り、最後は思い切った決断！！（←実はこれが一番大事なところなのです。）
理想を追い求めるとキリがなく、全てを満たす物件は無いという前提で、それぞれの特異性に合わせて時期を見定め、物件探しを始められるのが良いかと思いますᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ
