2021-12-08
今年の税制改正の目玉と言われてます「住宅ローン控除の見直し」について。
住宅ローン控除というのは、①毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除②所得税で控除しきれない(上回る)部分は、住民税からも一部控除③個人単位で申請④令和元年10月の消費増税に合わせて控除期間を13年に拡充⑤年間の控除は最大40万円まで
例えばローン残高4,000万円であれば、現行ではその1%、つまり40万円を最大として、所得税(住民税)から控除(さっ引いてくれる)というものです。
前回の記事で、その恩恵を最大限受けられる年収はおおよそ7〜800万円ぐらいから、という内容を記事にしておりました。
そこで、現在検討されてる案は、
①1%→0.7%に下げる②残高の上限を新築は3〜5,000万円の4段階に、中古は2〜3,000万円の2段階に分ける③減税の期間は、新築は10年→13年に延長、中古は10年のまま④利用者の年間の合計所得は3,000万円→2,000万円に引き下げ
大まかなにこの筋で決まりそうな気配があります。前回の記事でもお伝えしましたが、国土交通省の案としては「一律、期間を15年に」というものでしたが、財務省案の方が強く反映される見通しとなりそうです。
なんとまぁケチな(T . T);当然、期間がそれほど変わらず、利率だけ下がれば、当然、利用者のメリットは減ります。つまりこれは、増税策なんです。一部では不動産の駆け込みが始まってるようですが、1,000万円前後の中古物件であればそれほど大きな影響はないかと思われます。それよりも購入時の条件面(配管の状況、腐食部分、塀の補修等々)をしっかり注意して、後々トラブルにならないよう、気をつけるようにすることが重要だと思います。この辺りの注意不足で、すぐ0.3%分ぐらいは吹き飛びますので。
住宅ローン減税、控除率0.7%に引き下げへ 新築のみ13年に延長(朝日新聞デジタル)
二重課税でトリガー条項も問題視されてるガソリン価格は相変わらずで、10万円給付も半分はクーポン(野党が反対してるようですが)。
その他、よく分からない「デジタル田園都市構想」や、前と変わらない新しい資本主義(!?)、外国人労働者受け入れ拡大、進歩のないコロナ対応…
先が思いやられます。
今回の税制改正、そもそも低い金利と逆ザヤになってる現行の制度が問題なのではなく、元々の金利が下がり続けてる根っこの原因を変えなければ、イタチごっこです。
その原因とはズバリ、総需要の不足によるデフレです。
日本では1998年から続くデフレ、このままではまだ続きそうですね。
新築は13年に延長で、中古住宅は10年のままでしたら、日本の住宅事情の問題である「中古住宅の流通」という面ではこれこそ完全に逆ザヤではないのでしょうか。
1790万円
当然、新築住宅の方が他の産業に及ぼす影響が大きいから、というのが理由なのでしょうけど(あと利権)、それだと単に中古住宅の流通を萎めただけになると思います。
支払う金利より引かれる控除額が大きければ、たくさんの資産がある人が、わざわざ「ローン控除」を受けて住宅を買う、という事例が見られていたため、今回の改正に至ったわけですが、それなら別の何かの方法で購入者の負担を軽くする策を取らないと、景気下落圧力になってしまいます。
「修正幅0.3%なのでそこまで影響は出ない」との見方もありますが、それは景気がいい時の話し。そもそもコロナ前の2019年秋、消費税10%増税で壊滅的打撃を受けてるのが日本の経済です。
ダメなところにさらにダメ押しをしようとしてるのが、今回の税制改正大綱。
年の瀬に、明るくなるような良いニュースをお伝えしたいのは山々なのですが…
1750万円