
このところ住宅ローン金利も軒並み上がるニュースが増え、景気の底冷えが懸念される中、新築住宅の需要を差し置いて「中古住宅の需要が増えるのではないか」というお話もよく耳にするようになりました。
そこで本日は中古住宅の「売り出し価格」についてのお話です。
中古住宅を売却するとき、売主様としては当然、
「できるだけ高く売りたい」
と思いますよね。
私たちも、せっかくお預かりする物件ですから、できるだけ良い条件で売却したいと考えています。
ただ、不動産の場合、最初から高い価格で売り出せば、その分高く売れるとは限りません。
むしろ、最初の価格設定を間違えることで、結果的に安く売ることになってしまう場合があります。
このことは、査定の際にも私は根気強くご説明するようにしています。
売れない期間が長くなるとどうなる?
ここで、興味深いデータがあります。
東京カンテイが公表している、首都圏の中古マンションの「売出価格」と「取引価格」の価格乖離率を見ると、2025年は、
1か月以内に成約 −2.32%
3か月で成約 −5.48%
6か月で成約 −8.24%
9か月で成約 −11.18%
10か月で成約 −13.72%
となっています。
つまり、売却までの期間が長くなった物件ほど、当初の売出価格と実際の成約価格との差が大きくなる傾向が見られます。
ちなみに前年の2024年は、1か月以内に成約した物件が−2.41%、10か月で成約した物件でも−4.40%でした。
2025年は特に、売却が長期化した物件の価格乖離が大きくなっていることが分かります。
もちろん、これは首都圏の中古マンションのデータで、宗像市の中古戸建とは市場も物件価格も違いますので、この数字をそのまま当てはめることはできません。
ただ、
「売れない期間が長くなり、値下げを繰り返した結果、当初の売出価格から大きく下げて成約することがある」
という点では、中古住宅を売却するときにも参考になるデータだと思います。
宗像市の中古住宅で考えてみると
例えば、宗像市の中古住宅で、周辺の成約事例や築年数、建物の状態などから、
「2,000万円前後なら成約が期待できそう」
という物件があったとします。
しかし、
「まずは高めに出して、売れなかったら下げればいい」
ということで、2,300万円から売り出したとします。
ところが問い合わせが少なく、
2,300万円 → 2,180万円 → 2,080万円
と少しずつ値下げ。
半年以上掲載していると、以前から物件を探している方には、
「この家、まだ売れてないな」
と認識されるようになります。
そうなると、せっかく問い合わせが入っても、
「長く売れていないなら、もう少し値引きできるのでは?」
と価格交渉されやすくなります。
結果として、
1,950万円で成約。
もし最初から市場に合った価格で売り出していれば、2,000万円前後で早く売れていたかもしれません。
高く売ろうとしたことが、逆に売却価格を下げてしまう。
中古住宅では、こうしたことが実際に起こります。
「一番高い査定額」が正解とは限りません
複数の不動産会社に査定を依頼して、
A社 1,950万円
B社 2,050万円
C社 2,300万円
と言われたら、2,300万円と言ってくれた会社にお願いしたくなるのも当然です。
ただし、査定価格は、その不動産会社がその金額で買ってくれるという意味ではありません。
大切なのは査定額の高さではなく、
「なぜ、その価格なのか」
という根拠なのです。
周辺ではいくらで売れているのか。
同じ価格帯には、どんな競合物件があるのか。
その物件を買いそうなのは、どんなお客様なのか。
こうしたことを考えて、初めて「売れる価格」が見えてきます。
売り出した直後は、とても大切です
不動産は、新しく売りに出たときが一番注目されます。
だからこそ、そのタイミングで市場とかけ離れた価格を付けてしまうのは、少しもったいないと思います。
もちろん、売主様の事情によっては、時間をかけて高値を狙う売り方もあります。それは否定しません。
ただ、大切なのは、
「高く査定してもらうこと」ではなく、「どういう価格で、どういう売り方をするのか」。
令和地建では、査定価格をお伝えするだけではなく、物件の状況や売主様のご希望を伺いながら、売却方法について一緒に考えていきます。
宗像市周辺で中古住宅・土地の売却をご検討の方は、お気軽にご相談ください。