
こんにちは、令和地建です。
先日「レモン市場」についての記事を見かけまして、
なかなか面白い経済学の話だったのでご紹介します。
ちなみにですが、不動産市場にも影響しうる話なので^ ^
これは経済学者ジョージ・アカロフという方が中古車市場を例に説明した理論で、簡単に言えば、
「商品の良し悪しを売る側は知っているけれど、買う側には分からない市場では、良い商品が市場から消えてしまうことがある」
というものです。
例えば200万円の価値がある良い中古車でも、買う側からすると、
「もしかしたら故障だらけの車かもしれない」
という不安があります。
そこでリスクを考えて「150万円なら買う」となる。
しかし本当に良い車の所有者は、
「200万円の価値があるのに150万円では売らない」
となり、市場から退出してしまいます。
すると状態の悪い車の割合が増え、買う側はさらに中古車を信用しなくなる。
これがいわゆる「レモン市場」です。
不動産市場でも!?
中古住宅でも、売主はその家に長年住んでいるため、
「過去に雨漏りした」
「設備に不具合がある」
「近隣との問題がある」
など、買主には分からない情報を持っていることがあります。
つまり、売主と買主では持っている情報量に差があるわけです。
これを経済学では「情報の非対称性」といいます。
もし買主が、
「中古住宅なんて何か隠れた問題があるかもしれない」
と思えば、本当に状態の良い住宅まで疑われ、低く評価されることになります。
そして良い住宅の所有者ほど、
「そんな金額なら売らない」
となってしまう。中古車のレモン市場とよく似ています。
これが続くと、市場から良質な物件が減り、相対的に問題のある物件の割合が増えてしまう、というわけです。
¥不動産会社の調査義務
そこで大切になるのが、売主と買主の「情報の差」をできるだけ小さくすることです。
私たち不動産会社は、法務局や役所で権利関係、道路、都市計画、建築制限、上下水道など様々な調査を行います。(宅建業法35条)
売主から物件の状態について告知してもらうのも、そのためです。
つまり不動産会社の仕事は、単に物件を紹介するだけではありません。
「分からないものを、できるだけ分かる状態にして、安心して判断できる材料を揃える」
これも不動産会社の大切な仕事です。
普段何気なく行っている物件調査ですが、「レモン市場」という経済学の視点から考えてみると、不動産会社が色々なことを調査するのには、ちゃんと意味があるんですね!
とはいえ、どれだけ調査しても建物の内部や将来起こることまで、すべてを把握することはできません。
だからこそ不動産取引では、売主からの告知や重要事項説明、契約書での取り決めなどによって、「分かっていることを明らかにし、分からない部分についても責任の範囲を決めておく」という仕組みがあります。
こう考えると、不動産の契約書があれだけ長いのにも、ちゃんと意味があるんですね^ ^;